2008年03月24日 更新
【センバツ】聖望学園・大塚、完封勝利で亡き父との約束果たす

亡き父への思いを胸に完封勝利を挙げた大塚

初戦を突破し歓喜の表情の聖望学園ナイン
(第80回センバツ高校野球大会、第2日、2回戦、小松島0−2聖望学園、23日、甲子園)初出場の聖望学園(埼玉)はエースの大塚椋司投手(3年)が、小松島(徳島)を7安打に抑え2−0の完封勝ち。天国の父に誓った甲子園初勝利を果たした。
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大塚の屈託ない笑顔が弾けた。小松島を7安打に抑える完封での甲子園デビュー。「点を取られない自信はありました」と胸を張った。
昨秋の埼玉大会で自己最多の19奪三振を記録した“埼玉のドクターK”も、この日は物足りない6K。冬に走り込みばかりしたせいで「フォームを忘れちゃった」。ようやく前日、しっくり投げられたという。それでも縦横のスライダーとカットボールを有効に使い、最も警戒していた相手の4番・幸田から3三振。五回にはスコアボードに自己最速を2キロ更新する146キロも表示された。
亡き父が力をくれた。4歳からキャッチボールの相手をしてくれ、「おまえは甲子園に行くんだぞ。プロになるんだぞ」と励ましてくれた父・明世さんは大塚が小5の冬に、食道がんのため53歳で死去。一回、初めて上がった甲子園のマウンドで胸に手を当て、父の顔を思い浮かべた。聖地での勝利は所属した少年野球チームのコーチだった父との約束でもあった。
一回に城戸が左翼へ先制アーチ。二回には自ら二塁打を放ち2点目のホームを踏んだ。この2点で十分。グラウンド整備が入った五回終了時には右ひじが下がっていることに自分で気づき、投球を立て直すなど、修正能力も身につけている。
「オヤジのために1勝できてよかったです」
次戦は28日、地元大阪の履正社が相手。チームは鳥谷(阪神)のいた1999年夏に甲子園初出場(初戦敗退)、2003年夏にベスト8進出を果たした。関東ナンバーワン右腕・大塚が、チームの歴史も塗り替える。
(田中浩)
■兄から激励メール
三塁側アルプス席では大塚の母・成美さん(45)が、息子の熱投を見守った。かばんには夫の遺影を忍ばせ「気持ちを強く持って投げてほしい」と祈った。この日の朝、激励メールを送った兄・裕樹さん(23)は勝利の瞬間、立ち上がって大喜び。「速球でガンガン攻めてほしいと思っていた。よく投げてくれました」と、弟をまぶしそうに見つめた。
◆一回に公式戦初本塁打を放った聖望学園・城戸
「ボールがどこに行ったか分からず、フェンスを越えたところは見えませんでした」
◆ロッテ・山下徳人スカウト
「高校生では1、2を争う素材。走り込んでフォームを忘れた? 投手はそのぐらいでないと」
◆中日・仁村徹スカウト
「剛腕タイプなのに、スライダーの曲がりを変えたりできるなど器用。それだから投球がまとまる」









◆大塚と11年間バッテリーを組む聖望学園・原茂(はらも)
「一回にベンチに戻ってくると、大塚の顔が白かったので、緊張してるなと。顔を見れば、調子が分かるんです」