2007年03月27日 更新

2007年 第79回選抜高校野球大会

成田・唐川、延長十二回力尽く…広陵が粘り勝ち

広陵は十二回に上本健が決勝の内野安打。ヘッドスライディングが実った

広陵は十二回に上本健が決勝の内野安打。ヘッドスライディングが実った

延長十二回の力投も実らず。唐川は夏にリベンジを狙う(撮影・江角和宏)

延長十二回の力投も実らず。唐川は夏にリベンジを狙う(撮影・江角和宏)

 (第79回選抜高校野球大会、第4日、1回戦、広陵2−1成田=延長十二回、26日、甲子園)148キロ右腕の唐川侑己(からかわ・ゆうき)投手(3年)を擁する成田(千葉)は、広陵(広島)相手に今大会初の延長戦に突入。十二回に力尽き1−2で初戦敗退した。聖光学院(福島)は市川(兵庫)に2−4で敗れ、東北勢は1回戦で姿を消した。北陽(大阪)は鹿児島商(鹿児島)に1−0で勝ち13年ぶりのセンバツ白星を飾った。

 2度目のセンバツで150キロ超えという公約は果たせずに終わった。一回から、唐川はマウンド上で首をひねる。

 「最初の打者に投げたとき、おかしいと感じました。ある程度、走者は出すと思っていました」

 MAXは自己最速より3キロ遅い145キロ。毎回のように走者を背負いながら粘り強く後続を抑えていたが、延長十二回二死三塁でボテボテの三塁ゴロが内野安打となる不運に泣いた。154球の奮投は報われなかった。

 21日の大商大堺との練習試合でアクシデントが起きた。3回を無失点に抑えたが右手中指のつめが割れた。すぐに堺市内のネイルサロンへ直行、大会中支障がないようコーティングなどをしてもらった。右手の指5本で3000円。生まれて初めての経験に「女の人ばかりで恥ずかしかった」と頭をかいた。

 それ以上に深刻な事態が甲子園で待っていた。マウンドの傾斜が予想以上になだらかだったという。「去年の春とも違うし、ブルペンの感覚とも違っていた」。修正がなかなか利かず13安打を浴び、「全力で投げていないように見えた」と巨人・山下哲治スカウト部長らネット裏のスカウト陣も首をかしげていた。

 「つめの影響はありません。調子が悪くても、どんな状態でも投げられるようにならないと」と唐川。仙台育英・佐藤、帝京・大田らプロ注目の右腕の中でも「伸びしろはナンバーワン」(楽天・後関昌彦スカウト)の高評価は変わらない。リベンジとなる夏の舞台で、完ぺきな姿を見せる。

(田中浩)

◆成田・尾島監督

「唐川は調子が悪い中で走者を出しながらよく踏ん張ってくれた。走・攻・守、すべてにおいて力不足。いい勉強をさせていただいた」

★広陵・野村、仲間に感謝

 12回、155球を1人で投げ切った広陵の野村は「絶対に点を取ってくれると思って投げた。チームに助けてもらった」と、真っ先に仲間への感謝を口にした。九回以降何度もサヨナラのピンチを迎えたが、「冷静だった。開き直っていた」と話した。センバツ3回優勝の強豪がユニホームを変えてから初の甲子園できっちりと初戦を突破。エースは「伝統は引き継いでいますから」とりりしい表情で話した。

◆代走から出場し、決勝の適時内野安打を放った広陵・上本健

「まさかあんな場面で回って来るとは。絶対セーフになると思って全力で走った」