2007年03月26日 更新
“東の新怪物”登場!帝京・大田、江川に並ぶ20奪K

ダイナミックなフォームから剛球がうなりをあげる。大田が怪物に並ぶ20奪三振。07年春、甲子園に“もうひとりの怪物”が出現した=撮影・彦野公太朗
(第79回選抜高校野球大会、第3日、1回戦、帝京9−1小城、25日、甲子園)怪物に並んだ。プロ注目の右腕、帝京(東京)の大田阿斗里(あとり)投手(3年)が、小城(佐賀)戦で73年の江川卓(作新学院)に並ぶ大会歴代2位となる20奪三振の快投。9−1の完勝で初戦を突破した。
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1メートル86、91キロの大きな体がマウンドで躍動する。大田のストレートに、最後の打者・猪村も空振り三振。これで20個目の『K』だ。73年に作新学院の怪物・江川(現野球解説者)がマークした数と並んだ。
「びっくりです。三振にこだわりはなかった。江川さん? どういうピッチャーかよく知らないんで…」。全員が平成生まれという新時代のセンバツ。“江川”を知らない17歳の新怪物が聖地に出現した。
昨夏の甲子園もエースとして8強。しかし、3試合で完投は1つもなかった。「1人で投げきれなければエースといえない」。この冬は「頭に血が上るほど」の重い負荷をかけた5種類のウエートトレをこなし、筋力とスタミナがアップ。体重も6キロ増えた。
この日は自己最速のMAX147キロをマーク。一回二死後、三回まで7連続奪三振も記録した。「ひと冬で馬力がついた。あのスピードは魅力」(巨人・山下哲治スカウト部長)と、ネット裏のスカウト陣もそろって「◎」だ。
大阪桐蔭・中田に注目が集まる中、衝撃の数字とともに現れた“東の新怪物”。順当に勝ち進めば中田とは決勝で激突するが「意識していない」。それでも“ストップ・ザ・ナカタ”の最有力候補に躍り出た。
「次もしっかり抑えたい」。伝説の怪物に並んだ新怪物は、その先に15年ぶり2度目となるセンバツVを見据えている。
(田中浩)
■大田 阿斗里(おおた・あとり)
1989(平成元)年8月12日、沖縄・西原町生まれ、17歳。3歳で東京に引っ越し、小学3年から軟式の仲町ビッグフィガースで野球を始める。小学5年から投手、江戸川区選抜で世界大会にも出場した。「阿斗里」は鳥好きな父親がスズメ科の鳥の名からつけた。1メートル86、91キロ。右投げ右打ち。家族は両親と姉2人。
■データBox
帝京・大田が小城戦で20奪三振。センバツの1試合最多奪三振(9イニング)は、第35回大会(63年)のPL学園・戸田善紀が首里戦でマークした「21」。20奪三振は第45回大会(73年)の作新学院・江川卓と並ぶ歴代2位(別表)。
大田は第68回大会(96年)の椎葉厚生(大院大高)以来となる7者連続奪三振もマーク。大会記録は江川が第45回大会の今治西戦で記録した「8連続」。
なお、夏の甲子園の1試合最多奪三振(9イニング)は「19」で、東山中・森田、呉港中・藤村、浪華商・平古場、浦和学院・坂元、大阪桐蔭・辻内の5人が記録している。
| センバツの1試合奪三振5傑(9イニング) | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 三振 | 投手 | 学校名 | 年度 | 回戦 | 相手 |
| 21 | 戸田善紀 | PL学園 | 1963 | 1回戦 | 首里 |
| 20 | 江川 卓 | 作新学院 | 1973 | 準々決勝 | 今治西 |
| 大田阿斗里 | 帝京 | 2007 | 1回戦 | 小城 | |
| 19 | 岸本正治 | 第一神港商 | 1930 | 1回戦 | 一宮中 |
| 江川 卓 | 作新学院 | 1973 | 1回戦 | 北陽 | |
【記録メモ】
▽毎回奪三振 帝京の大田が1回戦の小城戦で記録。今大会初めて。
★小城、散発4安打
帝京・大田に手も足も出ず。小城の広重監督は「追い込まれて147キロのボールはウチの力では打てない」と脱帽した。12安打12四死球の“苦投”だったエースの井手大は「丁寧に投げようと意識して逆に力が入った」とガックリ。3三振の打席には「大田クンのボールはすごく伸びていた」とため息をついた。









◆先制打を含む3安打の帝京・中村
「一回に先制点を取ることが大事。試合の入り方にしっかり集中できていた」