2007年03月25日 更新

2007年 第79回選抜高校野球大会

都留、無念逆転負け…初勝利の“宿題”夏に片付ける

八回、エースの小林久は笠原に痛恨の一打を浴びた

八回、エースの小林久は笠原に痛恨の一打を浴びた

敗れた都留ナイン。“宿題”は夏に片付ける

敗れた都留ナイン。“宿題”は夏に片付ける

 (第79回選抜高校野球大会、第2日、1回戦、今治西3−2都留、24日、甲子園)三宅高野球部との交流などを評価され、21世紀枠で初出場を果たした都留(山梨)は、八回に今治西(愛媛)に逆転を許し2−3で惜敗した。第3試合の中京(岐阜)−千葉経大付(千葉)は雨のため、25日午前8時半開始の第1試合に組み込まれた。

 夢を打ち砕かれた。都留のエース・小林久貴投手(3年)は1点リードの八回二死満塁、内角直球を笠原に左前に痛打される。逆転を許し、甲子園初勝利は消えた。

 「悔いがないと言ったらうそになります。甘い球ではなかったんですが…」。プロが注目する今治西のエース・熊代と堂々の投げ合い。七回まで散発3安打の好投で、春夏通算18度出場の名門を土俵際まで追いつめた。

 21世紀枠による初出場の陰に、地道な支援活動があった。01年、小林太郎部長が三宅島噴火により都内で避難生活を送っていた都立三宅高・山本政信監督(55)と共通の知人を介して知り合い、ボールやバットを寄付。当時、グラウンドに木が生えるほど荒れ果てた状況に光をともした。その後、お互いの学校を行き来、練習試合や合同練習も実現させた。

 昨秋の山梨県大会で準優勝した都留は、06年度に一橋大を含め、100人を超える国公立大合格者を輩出する進学校。18日の大阪入り後も宿舎に自習室を設け、夕食後、就寝までの約2時間は各自勉強に励んでいた。

 「展開的にうまくいっていたんですが…」と長田監督も唇をかんだ。野球に打ち込みながら、苦しむ人に手をさしのべ、勉学に励む。学生の本分をわきまえた都留ナインは、夏に『甲子園1勝』の“宿題”を終わらせる。

(林健太郎)

★都立三宅高、応援届かず

 三塁側スタンドには都立三宅高の山本監督と部員5人の姿があった。前日23日、三宅島からフェリーや新幹線を使って約9時間の長旅。都留の勝利を祈り、同校の生徒と声をからした。「もし(都留の甲子園出場が)決まったら行くぞ、と話していたんです。私たちにとっても刺激になります」と山本監督。4月には新入部員を迎えて9人そろう見通し。三宅ナインも、この日の観戦をパワーに変える。

★「みんなが打たせてくれた」笠原、逆転タイムリー

 今治西は1点を追う八回二死満塁。笠原(3年)が左前にはじき返し、2者が生還した。「打った瞬間はどこに打球が飛んだか、分からなかった。ベンチからの声がすごく、みんなが打たせてくれた」。逆転勝ちに大野監督は「相手投手が素晴らしく、苦しかった。よくつないで逆転してくれた」と胸をなで下ろした。

◆今治西・福岡主将

 「慌てずにやろうと決めていたので、みんな落ち着いていた。ベンチの雰囲気も良かった」

【名言迷言・春】

◆八回の逆転勝ちにホッとする今治西・熊代

 「(前夜は)夜中の1時11分に目が覚めてしまいました。1並びで縁起がいいと思ってまた寝たけど、勝ててよかった」

★熱戦に興奮!?珍客乱入

 第1試合の五回途中、グラウンドにイタチとみられる小動物=写真=が姿を現し、試合が中断した。三塁側ベンチから飛び出し、内野を横断。一塁審判が捕まえようと追い掛けたが、一塁側のフェンスの下をくぐり抜けて球場外へ消えてしまった。球場関係者によると、阪神の試合中に猫が出現したことはあったが、それ以外の動物が出てくるのは珍しいとか。