2006年08月19日 更新

2006年 第88回全国高校野球選手権大会

初出場の鹿児島工がベスト4!鮫島が決勝アーチ

鮫島

十回、決勝本塁打を放った鮫島は歓喜のガッツポーズ=撮影・倉掛優一

(第88回全国高校野球選手権大会、第13日、準々決勝、鹿児島工3−2福知山成美=延長十回、18日、甲子園)準々決勝の残り2試合を行い、第2試合では春夏通じて甲子園初出場の鹿児島工(鹿児島)が延長十回、4番・鮫島哲新(てっしん)捕手(3年)のソロ本塁打で勝ち越し、3−2で福知山成美(京都)に競り勝った。これでベスト4が出そろい、19日は智弁和歌山(和歌山)−駒大苫小牧(南北海道)と鹿児島工−早実(西東京)の準決勝が行われる。

ヒーローはガッツポーズでダイヤモンドを1周した。同点の延長十回。鮫島が一振りで決めた。バックスクリーンに突き刺さる決勝弾。初出場の鹿児島工が4強進出だ。

「自分で決めるつもりでした。最高の舞台で本塁打を打ててうれしい。今の気持ち? なんつぁならん!!(何ともいえない)」

粘りに粘ってつかんだ甲子園3勝目。中迫俊明監督(47)は「奇跡です。鮫島のホームランにはしびれました。あんな力があるとは…。びっくりしました」とお立ち台で男泣きした。

逆境を乗り越えてきた自負がある。鮫島は4月に風邪をこじらせ肺炎を発症。治療に専念し、春の県大会を欠場した。5月に復帰したが、中迫監督から練習参加を禁止された。「主将として大事なところでチームを抜けたので、あえて突き放した」と碇山浩部長(44)が説明する。

これで変わった。グラウンドの横で1人、自主トレを敢行。練習参加の許可が出るまでの2週間は、1日1000スイングと90メートルダッシュを繰り返した。苦しんだ分だけ喜びも大きかった。

「チームの明るさなら負けません。優勝したい」と鮫島。鹿児島県勢初の夏Vへ。早実と激突する。(土井高志)

★榎下粘り勝ち

走者は出しても、あと一打を許さなかった。エースの榎下が四回以降を無失点でしのぎ、競り合いを制した。「バックがよく守ってくれた」。チームメートを信じ、粘り続けた右腕を延長十回、鮫島主将が本塁打で援護。榎下は「やっぱり4番は大事なところで打ってくれる」と感謝した。いよいよ準決勝。「早実の斎藤君はすごい投手だけど、粘り強く、自分の投球をしたい」。さわやかな“榎下スマイル”がさえ渡った。

◆3安打の鹿児島工・今吉健

「緊張していたけれど、1打席目で打点がついたので後は楽に打てた」


◆七回に同点打を放った鹿児島工・宿利原

「初球狙い。ストライクはどんどん振っていこうと思った」

★鷹・川崎、監督との“対決”楽しみ

鹿児島工OBのソフトバンク・川崎は、都内の選手宿舎からインボイスへ移動中のバスの中でテレビ観戦。4強入りに大喜びだった。「勝ちました。十回の本塁打の後も安心できなかった。何かあると思っていました。(準決勝の早実戦は)手加減はしないですよ!!」。準決勝の相手は王監督の母校・早実。くしくも“王Vs川崎”の図式となり、早くも大興奮していた。

★駒谷悔しい被弾

福知山成美のエース駒谷から笑顔が消えた。延長十回、勝ち越しの本塁打を浴び「アウトコースを狙ったスライダーが甘く入ってしまった」とうなだれた。直球を要求した捕手に対し「自信のあるスライダーで勝負したかった。大事な場面でサインに首を振って打たれた。信頼していたのに、最後の最後で僕が裏切ってしまった」と後悔の色を隠さなかった。4試合を1人で投げ抜き「疲れはあったけど、それを言い訳にしたくない」。潔いエースに涙はなかった。

◆競り負けた福知山成美・田所監督

「ナイスゲームだったが、勝敗がつくのが残念。打てなかった。なかなかいい投手は打てないもの」

■データBox

4強には駒大苫小牧、智弁和歌山の優勝経験のある2校に初出場の鹿児島工、27度目の出場で初優勝を狙う早実の4校が残った。駒大苫小牧は3年連続のベスト4進出。これは、第65−67回大会のPL学園以来史上5校目で6度目。戦後では3度目となる。智弁和歌山は4年ぶりの準決勝進出。駒大苫小牧とは甲子園初対決となる。

【名言迷言・夏】

◆七回に同点につながる内野安打を放った代打・今吉晃について、親戚の鹿児島工・今吉健

「ヘッドスライディングを見ましたか? 昔から、アイツは目立ちたがり屋なんです」

★選手の多くが皮膚のトラブル

日本高野連は18日、甲子園大会の出場登録選手を対象にした皮膚検診の結果を発表。トラブルは多くの選手が経験しており、予防についての関心が高いことが分かった。検診の結果バットによる手のたこは89%、手のつめ割れは16.8%。日本高野連では今回の結果を専門医に分析してもらい、健康管理の増進に生かす方針。