智弁和歌山ミラクル大逆転!乱打戦制し4年ぶり4強

サヨナラのホームを踏んだ松隈を出迎える智弁和歌山ナイン。ミラクルをミラクルで返してベスト4切符をつかんだ
(第88回全国高校野球選手権大会、第12日、準々決勝、帝京12−13x智弁和歌山、17日、甲子園)ミラクルに次ぐミラクル。大会新記録となる1試合両チーム7本塁打が飛び出した打撃戦を制したのは智弁和歌山だった。4点を追う帝京(東東京)は九回、8点を奪って逆転するが、その裏、智弁和歌山は橋本良平捕手(3年)の3ランなどで同点。最後は押し出し四球で13−12とサヨナラ勝ちし、4年ぶりに4強入りした。
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4点リードの九回にスコアボードに点灯した「8」の数字。8−4が一転、8ー12に。だが重くのしかかかった4点のビハインドもナインはあきらめなかった。
橋本良平捕手(3年)の3ランで1点差にすると代打・青石裕斗内野手(3年)の同点打、そして主将の古宮克人外野手(3年)がサヨナラ押し出しを選んだ。ミラクルに次ぐミラクル。智弁和歌山が甲子園史に残る大逆転劇で大激戦をモノにした。
「何か、すごい試合をやってしまった。選手に勝ちたいという気持ちが強かったんでしょうか」
高嶋仁監督(60)もただただ選手をほめた。守備が相次いで乱れ、逆に4点をリードを許した九回表が終了したときは、前日に春夏通算50勝を達成した名将でさえも「もうあきらめてました」と振り返る。
それでも引き揚げてきた選手たちの声は途切れなかった。左中間席に130メートルの特大3ランを放った橋本は「がむしゃらに打ちました。これで流れがこっちに向いた感じました」という。サヨナラ四球を選んだ古宮は「やっと勝ったと思った。でもまず落ち着いて一塁まで行こうと」。一度は手放した勝利を選手たちが自力で奪い返した。
両校合わせて29安打25得点。1試合でチーム5本塁打、両チーム計7本塁打の大会新記録も飛び出た。史上まれに見る打撃戦を制し、通算51勝目を挙げた高嶋監督は「きょうの1勝はこれまでの50勝分に値します」と最大級の賛辞を贈った。
19日の準決勝の相手は昨年秋の新チーム結成以来の目標としてきた駒大苫小牧。
「エースの田中(将大)を意識して練習をして、監督にも田中とするまで負けるなといわれてきました」と橋本。だからこそ「うちが3連覇を止めるチームになります」と宣言する。
ミラクル軍団がこの夏2度目のドラマを作りにいく。

★広井が2戦連発!清原の記録にあと1
大記録に、そして“番長”に迫る一発だった。3番・広井が七回に左翼へ2試合連続となる2ランを放った=写真。
「打った瞬間入ったと思った。真っすぐ一本に絞っていました」
苦しみながらもチームが勝ったことで、笑顔が弾ける。昨年の平田良介(大阪桐蔭、現中日)に続く史上4人目となる今大会通算4本目。85年度大会の清原和博(PL学園、現オリックス)の持つ最多記録に、あと1本に迫った。
「清原選手の持つ記録は超したいけれど、狙ったら打てない。ヒット狙いで本塁打になればいいです」と謙虚に話す。
この日は先発投手も務めて3回0/3を3安打1失点。投打でチームを引っ張った。準決勝はプロ注目の田中が相手。
「打ちたいですし、楽しみです」と、大会No.1投手との対決に胸を躍らせていた。
(三和直樹)
★馬場が2打席連発
頼れる7番・馬場が2打席連続アーチ。計7発が乱れ飛んだ空中戦の口火を切った。「1試合2本は初めて。うれしいです。逆に次(の試合)が怖い。(本塁打の)感触は忘れて一からやり直したい」。二回の第1打席で右翼へ3ラン。四回の第2打席はソロ。自分でも驚きの連発に満面の笑みを浮かべながらも、次戦に向けて気持ちを切り替えた。
★竹中反省11失点
竹中は四回途中から救援して、11失点を喫した。4点リードの九回には、二死から本塁打を含む6連打を浴びて8失点。逆に4点差をつけられた。「直球を狙われた。調子は悪くなかったが…。自分の責任」。チームは逆転サヨナラ勝ちして準決勝で駒大苫小牧と対戦するが、竹中は「こんな投球をしていては駄目。粘り強く投げたい」と前を向いた。

★橋本に虎が熱視線
今大会初本塁打を放った橋本=写真=は、阪神が今秋の高校生ドラフトで指名する方針を固めている。黒田編成部長は、「二回までは(甲子園で)見ていたけれど、後はテレビで見ましたよ。本塁打? すごいねえ。いい選手? もちろん。うちはずっと見てきていますから」とコメント。1巡目は堂上直倫内野手(愛工大名電)を指名する方針だが、中日らと競合が確実なだけに、“ポスト矢野”の期待がかかる橋本は、堂上を外した際の候補として今後もマークを続けていく。
■データBox
大会第12日の17日、大会通算本塁打数が55本となり、ラッキーゾーンが設置されていた第66回大会(1984年)の47本の大会記録を更新した。第11日を終えた時点で大会記録に並んでおり、この日準々決勝2試合で8本塁打が飛び交った。
第2試合の智弁和歌山(和歌山)−帝京(東東京)の両チーム本塁打7、智弁和歌山の1チーム本塁打5はいずれも1試合の最多本塁打記録を更新。智弁和歌山の広井亮介選手(3年)は今大会4本目を放ち、第87回大会での大阪桐蔭(大阪)の平田(現中日)以来、4人目の1大会4本塁打となった。









◆九回に代打で登場し、同点の中前適時打を放った智弁和歌山・青石
「(1メートル85の)身長はチームで一番高いけど、野球は一番ヘタなんです」