2006年08月17日 更新

2006年 第88回全国高校野球選手権大会

日大山形ミラクル逆転劇!山形県勢初ベスト8入り

日大山形ナイン

山形県勢初のベスト8入りを果たし、喜びの報告のためスタンドの応援席に向かって駆け出す日大山形ナイン。選手から笑顔がはじけた

秋場

延長十三回、秋場がサヨナラ中犠飛を放った

(第88回全国高校野球選手権大会、第11日、3回戦、今治西10−11x日大山形=延長十三回、16日、甲子園)ベスト8が出そろった。第2試合で、日大山形(山形)は延長十三回、秋場拓也捕手(3年)が中犠飛を放ち、11−10で今治西(愛媛)に逆転サヨナラ勝ち。47都道府県で唯一夏の甲子園8強入りがなかった山形県勢の悲願を達成した。日大山形の先発・阿部は13回を投げ抜いた。今治西は七回に2本の2ランで一度は逆転。六回から救援の熊代が同点とされた後も粘ったが、十三回は投げ急いで連打を浴びた。

逃げていくスライダーを必死に追いかけた。伸ばした腕に力を込めた。指先に残ったわずかな感触。それで十分だ。7番・秋場が中堅へサヨナラ犠飛。3時間5分の熱戦にピリオドを打った。

「ちょっと泳がされていたので(三走の)常川にホームまでかえってきてくれと心の中で叫びました」。2点をリードされた延長十三回。同点に追いつき、なおも無死満塁。一気に決めた。山形県勢初の夏のベスト8進出を決めたヒーローは、声をうわずらせた。

「(十三回の攻撃の前に)みんなの表情を見て、絶対にいけると思いました」

期待ではなかった。心の底からそう思った。仲間を信じていた。登録18人中、16人が県内出身者の日大山形。そのうち、秋場、常川知也主将(3年)ら6人が中学時代の山形代表選抜メンバーだ。

苦楽をともにしてきた仲間とさらなる結束を深め、ひとつの大きな壁を乗り越えた。“越境”が珍しくない近年の「甲子園事情」を考慮すれば、この快挙には大きな意義がある。

「地元出身の僕たちの力で歴史を塗り替えたかった」。常川が叫んだ。「(次の目標は)チャレンジャー精神で早実を倒すこと」。秋場が高らかに宣言した。“純血”チームの快進撃は続く。

(櫻木理)

★阿部サヨナラ勝ちに大泣き

200球を投げ抜いた2年生エースの阿部は、逆転サヨナラ劇をベンチで見届けた。力投に報いてくれた打線の奮起に「(十三回の2失点も)取り返してくれると思っていた。うれしかった」と目は真っ赤。3本塁打を浴びて序盤のリードを守れず、七回に一度は逆転を許したが「バックを信じて投げた」。信頼が呼び込んだ勝利を笑顔で振り返った。

◆十三回に逆転サヨナラ勝ちの口火を切る安打を放った日大山形・菅野

「最後まであきらめず、何とか塁に出てチームに勇気を与えたかった」

★熊代悔し涙

逆転サヨナラ負けに今治西の2年生エース・熊代は「勝ちを焦ったのかもしれない。自分に腹が立つ。先輩たちに申し訳ない」と悔し涙を流した。1、2回戦は先発で登板。この日は疲れを考慮して左翼に入り、3点を追う六回からマウンドへ。しかし、十三回に勝ち越した2点を守りきれなかった。熊代を六回から投入せざるを得なかった大野監督は「監督としての力不足を痛感している」と肩を落とした。

◆ソロ本塁打を含む3打点にも今治西・宇高主将

「十三回はみんながつないでくれたのに、犠牲フライしか打てなくて申し訳ない」

【名言迷言・夏】

◆サヨナラのホームを踏んだ日大山形・常川主将

「ホームベースが土で隠れていたので、そこら辺にスライディングすればいいかなと…」