2006年08月15日 更新

2006年 第88回全国高校野球選手権大会

歴代単独1位!智弁和歌山・高嶋監督が夏28勝!

高嶋監督(左上)

守備も堅実な智弁和歌山。高嶋監督(左上)のにらみが効いている

(第88回全国高校野球選手権大会、第9日、2回戦、智弁和歌山5−2金沢、14日、甲子園)第1試合で、智弁和歌山(和歌山)が5−2で金沢(石川)を下し、4年ぶりの3回戦進出。高嶋仁監督(60)は、夏通算28勝(春と合わせて49勝)で、歴代トップに躍り出た。16日の八重山商工(沖縄)戦では、PL学園・中村順司監督=現名商大監督=(通算58勝)につぐ、史上2人目の甲子園50勝を目指す。

高嶋監督

夏3度目の全国制覇を目指すチームよりも、ひと足早く“日本一”に輝いた。智弁和歌山の高嶋監督が夏28勝目。PL学園の中村順司監督、取手二−常総学院の木内幸男監督を抜いて、歴代単独トップに立った。

「これは私がやったことではないですから。選手たちがやった結果。そんなに気にはしていません」。メモリアル勝利は智弁らしい集中打でもぎ取った。五回に打者11人7安打で5点を奪い、一気に勝負を決めた。

今年5月30日で60歳。2年前から健康のために始めたランニングで、最近両ひざの半月板を痛めた。医者には手術を勧められたが「この歳になってメスを入れるのは嫌」と断り、現在はエアロバイクで鍛錬。これがグラウンドを見渡す独得の“仁王立ち”を支えている。

この日先発6回を無失点、打っては五回一死一、三塁から中前適時打を放った広井亮介投手(3年)も「監督はすごい。おじいちゃんなのに、僕らと同じ体力がある」と驚くほど。広井の適時打も、監督から「外を攻められるぞ」とアドバイスを受け、スライダーを狙い打ったものだった。

そんな名将に率いられた智弁和歌山は94年春に初Vを飾り、97年、00年の夏を制覇。準優勝も3度(春2度、夏1度)で『90年代最強チーム』といわれている。そのチームを知る高嶋監督が「最強世代になる可能性を秘めている」という今回の選手たち。4度目の日本一を本気で狙っている。

橋本

16日はプロ注目の大嶺祐太投手(3年)を擁する八重山商工(沖縄)と対戦するが「勝ち負けは別にして、いい投手とやりたいですからね」と不敵な笑みも浮かべた。史上2人目の甲子園50勝に王手。還暦監督のタクトは衰えを知らない。

(土井高志)

◆第1打席でこの夏、初安打を放った智弁和歌山・橋本=写真

「正直、1本出てホッとしました。積極的に打ちにいったのが良かった」

監督の夏の甲子園通算勝利5傑
監督 校名
※高嶋仁 智弁和歌山ほか 28 12
 中村順司 PL学園 27  3
 木内幸男 常総学院ほか 27 11
 裁弘義 沖縄水産ほか 25 11
※前田三夫 帝京 23  6
【注】14日現在。※は今大会出場。Vは夏の優勝回数

★金沢・林、連打浴び降板

初めての甲子園のマウンドに待っていたのは、厳しい結果だった。初登板の先発・林が、五回に智弁和歌山打線につかまった。四回までは、再三のピンチをうまく変化球でかわした。だが、五回は「ストレートを狙い打たれた」。連打を浴び、背番号「11」は4失点で降板。試合後は「自分のピッチングが…」と話すと、こぼれる涙をぬぐいながら、おえつを漏らした。

★第1試合から観衆5万人

第1試合からスタンドは5万人と満員の大観衆。大歓声と拍手で甲子園は熱気に包まれた。午前8時の開門時にすでに1700人、徹夜組も4人いたという。10時には内野席のチケットがすべて売り切れ、無料の外野席もびっしりと人で埋まった。大会関係者も「お盆休みと、(この日)近畿勢が3校登場するおかげですかね。うれしいことです」と喜んでいた。