奇跡!八重山商工九回二死から執念同点!十回勝ち越し
八重山商工は延長十回に奥平が勝ち越しの中前打
ドラマチックな勝利に好投手の大嶺にも笑顔が浮かんだ
(第88回全国高校野球選手権大会、第3日、1回戦、八重山商工9−6千葉経大付、8日、甲子園)壮絶な逆転劇、そして延長戦、甲子園で劇的なドラマが演じられた。1回戦4試合が行われ、今春のセンバツに出場した日本最南端の高校、八重山商工(沖縄)は九回に2点差を追いつき延長十回、9−6で逃げる千葉経大付を振り切った。文星芸大付(栃木)も好投手ダース・ローマシュ匡(たすく)投手(3年)率いる関西(岡山)に11−10でサヨナラ勝ち。初出場の松代(長野)も延長十一回、倉吉北(鳥取)に7−6でサヨナラ勝ちした。常総学院(茨城)は今治西(愛媛)に宮本大輔内野手(3年)の満塁本塁打などで追い上げたが、8−11で敗れ、初戦敗退した。
◇
甲子園に起きた奇跡の風は、八重山商工にも吹き荒れた。日本最南端、石垣島からやってきた球児たちが起こした真夏のミラクル。1点を追う九回二死から執念の3連打で同点に追いつくと、延長十回には3点を入れ勝ち越しに成功。最大4点差をはね返し、逆転劇を完成させた。
「自分がつなげば後ろの打者がかえしてくれると信じていました。うれしい気持ちしかないですね。またみんなで野球ができます」
奇跡の序章となった九回に、代打として中越え三塁打のチャンスメーク、延長十回に一死二塁から勝ち越しの中前適時打を放った奥平結右翼手(3年)が頬を紅潮させた。背番号は『9』ながら、3年で先発から外れた男が絶体絶命のピンチを救った。
追いつめられた状況で伊志嶺吉盛監督(52)が掲げた『人間野球』が結実した。「気持ちのこもった、仲間を信頼する血の通った野球をしようと甲子園にきてから言ったんです。最後にできましたね」。序盤にエース・大嶺が崩れて4点のリードを許す。それが八回、2点を勝ち越されると“逆転”をキーワードにチームに一体感が生まれた。主将の友利真二郎捕手(3年)は「チームメートを信じていました。ミスをみんなでカバーしたし、人間野球はしっかりできたと思います」と胸を張った。
この日は沖縄では旧盆の最後の日。伊志嶺監督は「島のみなさんも仏壇の前でおいしい酒が飲めると思います」と目を細めた。記念すべき離島勢としては夏初めての甲子園1勝。少年野球から10年来のつきあいとなる伊志嶺監督とナインの夢物語はまだ終わらない。
(土井高志)
★大嶺、仲間に感謝
逆転勝ちにも、エース・大嶺は声に力がなかった。「みんなの足を引っ張ってしまった」。4者連続三振と最高の立ち上がり。「調子が良かった分飛ばしすぎて、三回くらいから低めにコントロールできなくなった」。八回途中で降板したが、十回は志願してマウンドに戻った。「みんなからも“行け”といわれたんで。仲間が助けてくれた」と感謝。
◆九回に同点打の八重山商工・羽地
「自分までつないでくれると信じていた。心の準備はできていた」









◆九回二死から左前打で出塁し、同点劇につなげた八重山商工・金城長
「絶対打ってやろうと思った。ピンチになるとなぜか集中力が出る」