2007年10月03日 更新
Vの使者・“ガッツ”小笠原が独占手記…すべての人に感謝

激走ガッツ 四回、右翼線二塁打で全力疾走の小笠原。優勝請負人になるまでの苦労と感謝の思いをつづった(撮影・小倉元司)
ガッツがVの使者になった。巨人・小笠原道大内野手(33)が、サンケイスポーツに独占手記を寄せた。昨年日本一を達成した日本ハムからFA移籍。巨人移籍1年目に栄光をもたらすという、偉業をやってのけた。いま自分の言葉で、支えてくれたすべての人に感謝の思いを書き記した。
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みんなで苦しんで勝ち取った優勝。一生、忘れない。リーグ優勝という一つの目標を達成できて、非常に、うれしい。日本ハムから巨人にきて1年目。どうなるか分からない、全くの白紙の状態で今年がスタートした。「プレッシャーを感じる余裕がない」と言ってはいたが、プレッシャーはなかったと言ったらうそになる。少なからずプレッシャーは感じていた。周りの優勝したい思いも伝わってきたから、なんとかしたいという思いが強かった。
ファンの声援が後押ししてくれた。勝ったときはもちろん、負けているときも温かい声援。『頑張れ!』という声が聞こえてきた。日に日に、特にシーズンの大事な8、9月にファンの思いがより伝わってきた(注1)。今こうして、ファンが喜んでいる姿を見ることができた。この瞬間が1年間戦い抜いた疲れや苦しみ、そういうすべてのものを忘れさせてくれた。
チームを陰で支えてくれたすべての人に感謝したい。見えないところでプレーしやすいようにしてくれた。その人たちがいなければ、この瞬間はないし、プレーし続けることはできなかった。
キャンプから毎日、朝早くても夜遅くても、嫌な顔をせずに親身になって付き合ってくれた。バッティングの調子が悪く、いつもより早い時間から練習をしようと思っていたときでも、すでに練習の準備をしてくれていた。トレーナーも日付が変わっても、汗だくになりながら、体のケアをしてくれた(注2)。1年を通して支えてくれた。本当に頭が下がります。
原監督にはいろんなことを考慮してもらった。あれこれ言わず、変なプレッシャーをかけずにやらせてくれた。少しでも負担を軽減させてくれた配慮に感謝したい。
チームメートも1年目でどういうふうにしていいのか分からないなか、プレーをやりやすいように接してくれた。うまくチームにとけ込めるような空気を作ってくれた。日に日に深くなれた(注3)。一人でも欠けたら、優勝できなかったと思う(注4)。
最後に一番身近にいる家族にありがとうと言いたい。自分たちの生活のリズムを犠牲にしてまで支えてくれた。
すべては『奪回』『優勝』というチームの思い、ファンの思いを実現させるためにやってきた。もうすぐクライマックスシリーズ、日本シリーズがあるから、気を引き締めてやっていきたい。そしてこれからもファンと一緒に戦っていきたい。ただ、きょうだけはゆっくり休みます。きょうだけは優勝の余韻に浸りたい。支えてくれたすべての人に感謝したい。ありがとう。
(巨人内野手)
★注1 7月の新大阪駅。新幹線の出発を待つわずかの間に即席サイン会を開いた。「大阪は阪神ファンばかりじゃないよ。巨人ファンもいる。ちゃんとジャイアンツのユニホームを持っていたよ」と関西のG党に笑顔を見せた。
★注2 小笠原の球場入りは早い。正午過ぎには到着。1時過ぎから約30分間のマシン打撃は日課だ。試合後はアイシング治療、マッサージなど体のケアに多くの時間をかける。帰宅時間は選手で最も遅く、試合終了から約2時間後。遠征先のホテルではマッサージ室の確保が難しいときには廊下で行うことも。「毎日支えてくれたスタッフみんなに感謝したい。その気持ちしかない」と手記に思いを込めた。
★注3 8月2日の神宮球場。20年目のベテランの大道が、バランスボールを使った小笠原流の練習を教えてほしいと声をかけてきた。「練習はここ2、3年でできてきたもの」とプロで築き上げたノウハウを惜しみなく仲間に伝授した。
★注4 9月14日の広島戦と、同21日の横浜戦で劇的な勝利を呼び込んだのが、控え捕手の加藤だった。「ずっと出番のない試合でも、ベンチの裏でメモをとっていたことを知っていたから」と地道な努力を見守っていただけに喜びもひとしおの様子だった。
■小笠原 道大(おがさわら・みちひろ)
1973(昭和48)年10月25日、千葉県生まれ、33歳。暁星国際高からNTT関東を経て、97年ドラフト3位で日本ハムに捕手として入団。99年に一塁手転向とともにレギュラーに定着。ベストナインを5度、ゴールデングラブ賞を6度獲得。2006年には日本一の原動力となり、パ・リーグMVPに輝いた。同年のWBCでは日本代表として8試合すべてに出場し、優勝に貢献。同年12月、4年総額16億円で巨人にFA移籍。1メートル78、84キロ。右投げ左打ち。既婚。年俸3億8000万円。背番号2。







