2007年09月30日 更新
エース・ダルビッシュ貫禄の奪三振200超え!MVP最有力

優勝の瞬間、ダルビッシュが笑顔でベンチを飛び出した。まさに「両手に花」の今季。MVPもこの男で決まりだ(撮影・塩浦孝明)
(パ・リーグ、ロッテ1−9日本ハム、23回戦、日本ハム11勝10敗2分、29日、千葉)日本ハムが、球団史上初の連覇を決めた。投手不足に泣くチームを200投球回&200奪三振と15勝で支えたのがエースのダルビッシュ有投手(21)だ。リーグMVP最有力で、シーズン中に公表した女優サエコ(20)との婚約・妊娠と合わせ、まさに「両手に花」の秋。
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思いきりベンチを飛び出した。歓喜の輪の中から頭ひとつ抜け出した1メートル95のダルビッシュが、輝く笑顔を見せた。
「1年間精いっぱい投げて、誇れるシーズンになりました。今年は達成感を感じる」
15勝5敗。防御率1.82。207回2/3を投げて完投12。奪三振は210、両リーグでただひとり200を超えている。タイトルは奪三振だけになりそうだが、リーグMVPの大本命だ。
開幕前から燃えていた。「評論家の予想が5位か6位だったので絶対に覆してやろうと思った」。しかし、順風満帆ではなかった。
3月24日のロッテ戦(千葉マリン)、開幕投手で五回まで4−0と完封ペースながら、六回にズレータに満塁被弾して降雨引き分け。7月13日の楽天戦(フルスタ宮城)では右肩に違和感を覚えて五回降板。「最後の球で肩がグシャッときていた。礒部さんが空振り(三振)してくれなかったら、200イニングも投げられていない」とリタイア寸前だったことを明かした。

ダルビッシュはヒルマン監督とガッチリ抱き合った(撮影・原田史郎)
8月9日の楽天戦(札幌ドーム)では、女優・サエコとの婚約を発表。それを力に変えた。「(結婚と二重の喜びは)ボクの中では公私混同したくない。そこはそこ、野球は野球」。
だが、優勝へのキーワードは「家族」だった。イランと日本の二重国籍を保有していたが、来年8月の22歳の誕生日を前に、日本国籍を選択することも決断した。
「父さん(ファルサさん)を尊敬しているから、イラン人であることを大切にしてきた。これからは父さんのような父親になりたい」。ファミリーへの感謝と新たな家族を迎える喜びが、不安を解消した。
優勝が決まったため、残り公式戦(3試合)の先発は回避する。見据えるのは10・13札幌ドーム、クライマックスシリーズ第2ステージの第1戦だ。
「自分がここにいるのも監督のおかげ、日本一、アジア一まで行って(退任する監督への)恩返しだと思っている」。つかの間の休息の後、エースは再び頂点を目指す。
■ダルビッシュ有(ゆう)
1986(昭和61)年8月16日、大阪府生まれ、21歳。東北高では2年春に準優勝。05年ドラフト1巡目で日本ハム入団。同年6月15日の広島戦(札幌ドーム)で初登板初勝利。昨季は10連勝を含む12勝をあげ、日本一に貢献した。通算成績は65試合に登板、32勝15敗0S、防御率2.53(29日現在)。1メートル95、85キロ。右投げ右打ち。年俸7200万円。背番号11。
◆日本ハム・金子誠
「下馬評を覆したわけだから、爽快感というか、かなりうれしい」
【パ5球団監督参りました】
◆ロッテ・バレンタイン監督
「けが人が少なく、1年中を過ごせたことが、われわれより勝率を上回ることができた要因」
◆ソフトバンク・王監督
「本塁打も総得点も低かったけど、エンドランや内野ゴロで1点を取れたり、点の取り方の幅が広かった」
◆楽天・野村監督
「投手力と機動力。うちは3連打で1点しか取れないが、向こうは1安打で1点取る。選手がよく育っている」
◆西武・伊東監督
「すきのない野球だった。強さは感じないけど、気付いたら負けている昔のうちの野球に似ていた」
◆オリックス・コリンズ監督
「スピードがあり、守備が優秀なチーム。だから2年連続でこういう結果になったのだろう」
★フロントと現場が一体で若手が活躍できるムード作り
ヒルマン監督就任後、入団5年目以内の投手(外国人、移籍組含む)の勝ち星は78勝のうち64勝を占める。
要因のひとつは球団フロント、スカウトの努力と眼力だ。国内のプロ、アマ選手、さらに外国人選手の能力を数値化したデータベースを開発。吉村GM補佐らがMLB球団のシステムなどを研究したうえで、日本に合ったものを加えた。
ダルビッシュ、吉川ら高校出ながら即戦力に近い能力を持った選手を獲得したり、守備や走力には目をつぶっても金子洋ら長打力に秀でた選手を思いきって獲得できる球団の風土を築き上げた。
さらに現場では、若手が活躍できるムードが作られる。「経験豊富な投手を待つ余裕がない」と佐藤投手コーチは笑うが、3年目のダルビッシュがルーキー吉川、2年目の木下、中学時代の1年先輩の4年目・金森らを投手陣の輪の中心に呼び込む。野手でも森本、田中賢に引っ張られて小谷野、稲田、工藤らがレギュラーに名を連ねた。
まさに現場、フロントが一体となって勝ち取った連覇だ。
◆小池唯夫パ・リーグ会長
「チーム創設以来、初めての2連覇であり、ファンの皆さまはじめ球団関係者の喜びはひとしおでしょう。限られたチャンスを得点に結びつける集中力は見事であり、チーム全員による信頼のたまものと敬服します」
◆大沢啓二元監督
「今年は難しいと思っていたから2連覇はあっぱれ。若い選手が育ってきているのが優勝の要因。高額を投じて鎌ケ谷市に二軍施設をつくったが、その成果が出てきている」








◆日本ハム・武田久
「みんながやることをやった結果。最初は優勝するとは予想していなかった」