男子60キロ級で井上が銅メダル
レスリングの男子フリースタイル60キロ級3位決定戦で、井上謙二(自衛隊)はワシル・フェドルイシン(ウクライナ)に判定勝ちし、銅メダルを獲得した。第2ピリオド終盤に井上が5−5の同点に追いつき、延長突入。先にタックルでポイントを奪った井上が、前日のフリースタイル55キロ級・田南部力(警視庁)に続く男子2個目のメダルを手に入れた。〔写真:レスリング男子フリー60キロ級で銅メダルを獲得し、ガッツポーズする井上謙二=アノリオシア・ホール(共同)〕
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けがに苦しみ続けた男が輝いた。レスリング男子フリースタイル60キロ級3位決定戦。井上は延長を制すると、マット上へ祝福にきた富山監督を歓喜のタックルで倒し、思い切り飛び跳ねた。「攻めのレスリングを心掛けていたから監督にもタックルした」。声を弾ませた。
60キロ級では172センチの身長は大きな部類に入る。手足が長くリーチがあり、懐も深い。それを利してタックルをうまくかわすことができる。また、国際舞台での経験が乏しく、マークされる存在ではなかったことも幸いした。
フェドルイシンとの3位決定戦は点の取り合いとなった。4−5とリードされ、残りは20秒を切っていた。慌てなかった。ここで片足タックルを決めて追いつく。延長に入り、6分43秒で再びタックルを決める。レフェリーが試合終了を告げても、攻め続けていた。「和田コーチと(富山)監督が駆け寄ってきて勝ったと思った」。それほど集中していた。
3年前の1月に左ひざ、4月に右ひざの手術を相次いで受けた。ともにじん帯断裂の重傷だった。「痛くて夜も眠ることができなかった」と明かす。手術に踏み切ったのはアテネ五輪を目指すためだった。
準決勝でリードしながら守りに入って逆転負け。あと一歩で決勝進出を逃した悔しさはあるだろう。その反省を55キロ級の田南部に続く銅メダルにつなげた。
日本のレスリング男子が複数のメダルを獲得するのは1988年ソウル大会以来4大会ぶりだ。遅咲きの27歳は日本レスリング史に1ページを刻んだ。(共同)
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