「家族愛ハンカチ」味方に笹本メダルへ突進

笹本睦 レスリング男子グレコローマンスタイル60キロ級の笹本睦(26)=綜合警備保障=が2連勝してD組1位となり、グレコローマンの日本勢ではただ一人、26日の準々決勝に進んだ。〔写真:準々決勝進出を決めガッツポーズをする笹本。メダルまで、あと一歩だ=共同



 家族の夢を、父がしっかりとつなぎとめた。笹本が2戦とも完勝で、8強に進出だ。

 「格下の相手だったけど、自分の形で攻めることができた」

 3人1組の総当たり戦の1次リーグ。上位1人だけが翌日の準々決勝に進出できる。グスマン(ペルー)との初戦を2分31秒テクニカルフォール勝ちで制すと、2戦目のステファネク(セルビア・モンテネグロ)戦も、攻め続けた。ローリングを決めた直後にバックを奪って連続でポイントを稼ぐなどして9−1。相手をねじ伏せた。

 上半身だけの攻防のグレコローマンは、まさに力対力の勝負。高校時代は肩の脱臼クセがあった笹本は、日体大入学後、1日1000回以上の腕立て伏せで肩周囲を鍛え上げた。母方の祖父が米国人。発達した上半身を、さらに強化した。

 試合中に使用するハンカチには、夫人の千恵さんと2人の子供の応援メッセージが記されている。「下の子(1歳の昴鳴=こうめい=ちゃん)が書いたのは、まるで落書きですよ」。汗でにじんだ家族の言葉が、力になった。千恵さん(旧姓・沢田)も中京女子大出身の元レスリング選手。減量のための知識も豊富だ。この4年間、リベンジを誓って家族総出で支えあってきた。

 五輪初出場のシドニーでは、初戦で世界王者ナザリャンに完敗した。準々決勝は、ナザリャンとのリベンジマッチだ。

 「相手は(かつぎ技の)俵返しのスペシャリスト。やり返したい」。今度こそナザリャンを倒し、メダルをわが家へと持ち帰る。

 笹本 睦(ささもと・まこと) 1977(昭和52)年10月21日、神奈川・相模原市生まれ。26歳。向上高から日体大を経て、現在、綜合警備保障所属。00年シドニー五輪8位。同年世界選手権優勝。今年の五輪2次予選、全日本選手権優勝で2大会連続の五輪出場を果たす。1メートル63。




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