永田「敬礼ポーズ」決められず1次敗退

コボノフに攻められる永田 男子グレコローマン74キロ級の1次リーグで、シドニー五輪69キロ級銀メダリストの永田克彦(30)=新日本プロレス=は、まさかの2戦連敗。兄でプロレス元IWGPヘビー級王者・裕志(36)の会場応援も奏功せず、各組1位が進む決勝トーナメントに進めなかった。60キロ級の笹本睦(26)=綜合警備保障=は初戦にTフォール勝ちした。〔写真:コボノフ=上=に攻められる永田。2戦2敗でアテネを去る=共同



 4年前に見せたあの笑顔も、兄譲りの“敬礼ポーズ”も、披露できない。シドニーで銀メダルに輝いた永田が1次リーグで散り、2大会連続メダルはならなかった。

 「波に乗れなかった。爆発的な筋力がない。詰めの甘さも出た」

 反省の言葉ばかりが口をつく。初戦の相手は、5月のアジア選手権では下したコボノフ(キルギス)。再三のチャンスがありながら、切り札のローリングをさく裂させられなかった。逆に自身の決め技を敵に決められ、2−3で惜敗。2戦目も相手にローリングを食らい、無得点で連敗した。
 シドニーには応援に行けなかった兄の裕志も会場で応援。日体大レスリング部出身で、92年バルセロナ五輪出場を目前で逃した兄にとっては念願の“五輪参戦”だったが、1つの勝利も見せることができなかった。23日のレスリング女子で、72キロ級の浜口京子(26)が父でコーチのアニマル浜口氏(56)の絶叫の下で銅メダルを獲得したのとは、対照的だった。

 シドニー後の階級区分変更で、1階級上げることを決断。アテネでの金メダル獲得を目指し、“自分改造”を施してきた。ハードな肉体改造は当然。「もっとハングリーな環境でレスリングを極めたい」と、生活の保障された警視庁を辞め、兄が所属する新日本プロレスの職員に転身。興行の切符切りなど地味な仕事をこなして生きることで、ハートも鍛え上げてきた。しかし、聖地の女神はほほ笑まなかった。

 父・昭男さん(67)には「アテネで終わるつもり」と漏らしていた30歳の永田。だが敗戦後に「4年後を目指すと今は言えないが、足りなかった部分を強化したいという気持ちでいっぱい」と、心の動きを明かした。

 「悔しい。このままでは終われない」

 食いしばった歯が、ギシギシと音を立てる。その音が、燃え尽きていない闘志の表れだ。

 永田 克彦(ながた・かつひこ) 1973(昭和48)年10月31日、千葉県生まれ。30歳。中学まで野球をやっていたが、兄・裕志(36)=現・新日本プロレス=の影響でレスリングを始める。千葉・成東高から日体大。日本選手権を97年から6連覇。00年シドニー五輪グレコローマン69キロ級で銀メダル。昨年の世界選手権10位でアテネ五輪出場権獲得。家族は両親と兄、姉。新日本プロレス職員。1メートル70。


グレコローマンスタイル
 1896年の第1回アテネ大会から実施されているレスリングのスタイル。上半身の攻防のみに限定され、足への攻撃や足を相手の体にかけるなどの攻撃は反則。足を使って相手の技を防ぐこともできない。豪快な投げ技が出るのが特徴で、採用は男子のみ。競技人口はフリーの方が多い


★女子レスリングはメダルラッシュ

 全4階級(24日)に出場した女子レスリング勢は、メダルラッシュに沸いた。55キロ級の吉田沙保里は対外国選手無敗記録を「74」に伸ばして、金メダル。63キロ級の伊調馨も決勝で逆転での金メダル。48キロ級の伊調千春は銀、72キロ級の浜口京子は銅に終わったが、金2、銀1、銅1のメダルを獲得した。

★成田で「気合だア!」アニマル帰国

 女子レスリング72キロ級で銅メダルを獲得した浜口京子の父、アニマル浜口さん率いる約50人の大応援団が25日、成田着の航空機で帰国。空港ロビーでおなじみの『気合だア!』のかけ声10連発で締めくくった。「京子のさわやかな笑顔がよかった。価値のある銅メダルだよ」と、アニマルさんは満足げだった。


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