京子の誇り、右目の腫れと輝く銅

浜口京子 レスリング女子72キロ級で3位決定戦に回った浜口京子(26)=ジャパンビバレッジ=は銅メダルを獲得。開会式の旗手も務めたエースは、日本女子の全階級メダル獲得を死守した。〔写真:上に乗ってサエンコを攻める浜口。気合で銅メダルをもぎとった=撮影・尾崎修二



 右手を小さく挙げる。笑顔が広がると、今度は両手で観客に応えた。激闘で痛々しく腫れ上がった右目のハンデを乗り越え、3位決定戦を4−0で完勝し銅メダルを獲得。日本勢最後に登場した浜口が、女子レスリング全階級でのメダル獲得を決めた。

 「大声援が聞こえて、最後まで勇気を持って戦えました」

 金メダルを確実視されながら、準決勝では金メダルを獲った18歳の王旭(中国)に2度もローリングで転がされる屈辱の上に惜敗した。しかし、悪夢からはい上がる精神力があった。元プロレスラーの父でコーチのアニマル浜口氏=本名・平吾=(56)から叩き込まれた「気合」だ。

 声援を力に変えた。攻めの姿勢でタックルを重ね、メダルを死守。準決勝の敗北で取り乱した父は、係員に制止されながら気合を入れ直して応援した。五輪にすべてを捧げた父娘の二人三脚。客席の両親にメダルを掲げた。父は「よくやったぞ!」と娘を称えた。

 「もっときれいな、輝いたメダルがほしかったんですが、私の人生の中で金メダル以上の経験をさせてもらえました」。笑顔で手にした銅メダルが、浜口家の誇りを守り通した。

 浜口 京子(はまぐち・きょうこ) 1978(昭和53)年1月11日、東京・台東区浅草生まれ。26歳。14歳でレスリングを始め、98年には国際レスリング連盟年間最優秀選手となる。昨年は世界選手権5度目の優勝を達成。父親は元プロレスラーのアニマル浜口(本名・平吾)氏。1メートル70、72キロ。


★父も「キョ〜コ〜!!」

アニマル浜口氏 気合の熱血父、アニマル浜口氏は準決勝で敗れると、ひたすら“抗議の絶叫”を繰り返した。電光掲示板のポイントの表示ミスで、浜口がリードしたような場面もあり、観客席のサクによじのぼり「何でなんだよ! 違う! 間違ってる!!」。制止に入った屈強なギリシャ人の警官3人をも押しのけて、「間違いは間違いだ、バカヤロー!!」と叫び続けた。

 3位決定戦では「キョーコ、キョーコ!」と声援を送り続け、勝利の瞬間はバンザイ。笑顔の娘に向かって「キョ〜コ〜!!」と歓喜の叫びを浴びせた。

写真:準決勝の判定負けに納得いかない京子の父、アニマル浜口氏は、制止する警備スタッフを押しのけて“場外乱闘”=撮影・鈴木健児



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