金へ気合だ〜! 4人娘そろって準決勝進出
見えた金メダル、それいけ気合だ〜! アテネ五輪から正式種目となったレスリング女子4階級の予選リーグが行われ、72キロ級初戦で世界女王のエース、浜口京子(26)=ジャパンビバレッジ=が8−4の判定勝ちでトッカラ・モンゴメリ(21)=米国=を破った。2人は昨年の世界選手権決勝で、浜口が競り勝った。最強ライバルを下し、いっきに金メダルへの期待が膨らむ。全階級で金が期待される日本は、浜口のほか48キロ級の伊調千春、63キロ級の妹、伊調馨(ともに中京女大)、55キロ級の吉田沙保里(中京女大)全員がそれぞれ2連勝で、23日の準決勝へ進出した。〔写真:初戦で最強ライバルを下した浜口=上。準決勝進出を果たし、いっきに金メダルが見えてきた=撮影・鈴木健児〕
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約束の勝利のポーズが、ビシッと決まる。浜口が右人さし指を高々と突き上げた。「万雷之気合」の文字が躍るTシャツを着た大応援団が大きく揺れる。京子の記念すべき五輪初戦は、事実上の「決勝戦」。奪い取った白星は、金メダルへの最接近を意味していた。
「初戦から強敵だけど、相手に不足なし。自分の手が挙がることしか考えてない」
予告どおりの展開だった。モンゴメリには昨年10月のW杯で敗れた。だが、9月の世界選手権では競り合いを制し、1月のプレ五輪の大一番でも勝利している。もう、負けない自信があった。開始10秒で相手のバックをとり、すかさずローリングして3点を先取。右足をタックルされたが、後ろに倒れながら豪快に反り投もみせた。4ポイント差で難敵を粉砕。重みのある五輪初勝利だ。
熱い瞬間をスタンド前列で静かに見ていた男がいた。柔道男子100キロ級の井上康生(26)=綜合警備保障=だ。ゴールドラッシュに沸く日本選手団の主将を任され、金メダルの大本命といわれた自身は、無念のメダルなし。選手村でかたく握手を交わし、開会式で旗手を務めた浜口に思いを託した。「ボクの分も勝ってほしい…」。
20日にアテネ入りした家族からは手づくりの激励アルバムを手渡された。子供のころからの思い出の写真をはり、両親、弟のメッセージが記されていた。「京子、おまえが一番強い」と。多くの人の願いを一身に受けて、闘っている。
「この会場はプレ五輪で優勝した、私にとっていい所。アテネの女神がほほ笑んでくれることを信じます」。
予選3組には世界選手権史上最多6度優勝のノードヘーゲン(カナダ)がいるが、もはや33歳。プレ五輪ではフォールで一蹴した。予選2戦目も相手にポイントを与えない貫禄のテカニカルフォール勝ちで準決勝へ進んだ。もはや敵なし。五輪初代女王へ。京子の闘いが、いよいよクライマックスを迎える。
(牧慈)
★伊調千春が準決勝一番乗り
女子レスリング五輪最初の試合に、伊調千が立った。48キロ級予選1組の第1試合。初戦はテクニカルフォール勝ち。続いて02年世界女王のワーグナー(ドイツ)も終了間際の5分58秒でフォール。強豪を連破し、準決勝進出を決めた。「1試合目は緊張したけど、先に3点取って勢いに乗れた。(雰囲気は)いつもの世界選手権と同じ感じでしたね」。選手村でも同じ部屋で、63キロ級の妹・馨と日本初の姉妹同時金メダルを目指す。
★伊調馨はちょっぴり苦戦
女子63キロ級の伊調馨が2試合目でロシア選手にやや苦戦。力強い相手に動きを封じられたが、2−2から攻め抜き、判定勝ち。「ひやひやした。相手はロシアのレスリングで強かった。こちらがよくなかったこともあり、苦しんだ」と、ホッとした表情。
★吉田は完ぺき
女子55キロ級の吉田が完ぺきな内容でベスト4に進出。伊調姉妹と浜口が一足先に準決勝行きを決め、「絶対勝たなければいけなかった」と力を込めた。2試合ともに無失点。2戦目のジャンピッコロ戦は楽に逃げ切れる展開だったが、第2ピリオド終了間際に豪快な両足タックル。テクニカルフォール勝ちした。アテネ入り後に腰の張りを訴えて2日間練習を休んだが、不安を吹き飛ばし、「金メダルしかない」とキッパリ。
★アニマルはアテネでも吠える
「きょおーこおー!」。
アテネの街全体に届くかのような父・アニマル浜口氏(56)の絶叫が会場に響き渡った。
鉢巻きには、日の丸に大きな文字で「京子」。そろいのTシャツには五輪でのテーマ「万雷之気合」の5文字が金色に輝く。東京・浅草から駆けつけた浜口応援団は総勢50人。当初は禁止される予定だった、小太鼓や鐘も持ち込みOKとなり、日本よりパワーアップした応援が繰り広げられた。「まだ喜ぶのは早い。全4戦が決勝戦だと思って闘わなければならない」。熱い血潮の父は喜びと安どを抑え、金メダルの瞬間まで忠告を忘れない。それ、気合だ〜!
〔写真:いけ、わが娘よ−スタンドから絶叫応援する京子の父・アニマル浜口さん=撮影・鈴木健児〕
◆富山英明監督 「出だしが肝心。浜口を心配していたけど、勝ててよかった。油断はできないが、いい滑り出しだ」
◆栄和人コーチ 「千春は変わった。今までスロースターターで、相手をばてさせてポイントを取ってきたけど、自分からタックルで攻めた。ボクはプレッシャーで昨日は胃薬を飲んだけど、選手たちが冷静にやってくれた」
| 女子レスリング試合方式 |
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| 女子はフリースタイルのみで、3分を2Rで争う。3人ずつ4組に分かれて1次リーグ予選を行い、1位だけが準決勝へ。準決勝で敗れた選手同士で3位決定戦を行い、勝者同士で決勝。それ以下の選手の順位はポイントで決定。 |
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