加藤陽一、腰痛押して豪州戦スクランブル発進

加藤陽一 バレーボールのアテネ五輪男子最終予選で1勝1敗の全日本男子は休養日の24日、東京体育館で練習を行い、腰痛で過去2戦出場機会のなかった加藤陽一(27)=アラゴデセテ=が戦列復帰した。前日23日の中国戦に敗れ、25日の豪州戦を落とせば3大会ぶりの五輪出場に赤信号が点灯。後がない全日本に、満身創痍(そうい)の大黒柱が出場を直訴した。〔写真:腰痛を押して練習に復帰した加藤は、出場を直訴した=撮影・高橋朋彦

 熱い思いは抑えきれない。腰痛で戦列を離れていた加藤が、4日ぶりに練習復帰。国際大会ではチーム最多の137試合出場を誇る前主将が決意の直訴だ。

 「(腰には)衝撃もないし、普通にプレーできます。試合のどこかでボクが出て、チームに貢献したい」。高校(大分工)時代から持病の腰痛が開幕直前の20日に再発して以来、アイシングとマッサージは欠かせない。この日は痛み止めの薬を服用し、患部にコルセットをつけながら、レシーブ、スパイク練習とメニューをこなした。

 前日23日の中国戦はフルセットの末、痛い星を落とした。25日からもアジア枠を争う豪州、イランと連戦が続く。この日は疲労がたまる山本と杉山マルコスが別メニュー。今こそ、一昨年の7月から今大会前まで全日本の主将を務め、イタリアなど海外でも活躍する経験豊富な加藤の存在が必要だ。

 「(加藤は)軽くスパイクが打てる状態。使うかどうかは…」と、田中幹保監督は慎重な姿勢。しかし、加藤は「あと先考えず、冷静な判断ができる選手が必要。流れを変える場面、盛り上げる場面で出たい」と強烈に出場をアピールした。

 五輪出場には、もう1敗も許されないサバイバル戦。練習にはアントニオ猪木のテーマ曲『炎のファイター』が響き、円陣では萩原秀雄団長から「最後は血みどろの戦いだ」と猛ゲキが飛んだ。チームの士気が高まるなか、精神的支柱・加藤は虎視眈々と出番を待つ。

★加藤 陽一(かとう・よういち)

 1976(昭和51)年8月12日、大分市生まれ。27歳。筑波大在籍時の22歳で全日本デビュー以来、エースとして活躍。00年シドニー五輪世界最終予選で敗退し海外移籍を決意。02年東レからイタリア・セリエAのトレビゾに移籍しリーグ優勝に貢献。翌年ギリシャ・PAOKに移籍。今季途中からフランス・アラゴデセテでプレー。身長1メートル90、最高到達点3メートル47。

★豪州★

 平均身長1メートル99は出場国中1位。イタリア・セリエAなど海外リーグでプレーする選手が主力。世界ランクは21位(日本は19位)。地元開催の00年シドニー五輪ではベスト8に入った。

★脳震とうの越谷は休養

 23日の中国戦の試合中、脳しんとうを起こした越谷章(東レ)は大事を取り、24日の練習を休んだ。田中監督によると、23日夜に不調を訴えて一度は入院したが、24日午前に退院した。

◆全日本男子・スーパーエース山本隆弘 「きょうで気持ちの整理はできました。あしたは切り換えて、頑張ります」

◆全日本男子・レフト杉山マルコス 「大丈夫、もう問題ないよ。同じ失敗を繰り返さないようにしたいね」

★アテネへの道★

 男子の世界最終予選兼アジア予選には、アジア勢として日本と韓国、中国、イラン、豪州の5国とフランス、カナダ、アルジェリアが参加。日本は1位に入るか、アジア勢の最上位(アジア勢が1位の場合はアジア2番手)で五輪出場権を得る。順位は勝ち点(勝ち2、負け1)で決定、同点の場合はセット率、得点率で決まる。

★テレビ放送★

 フジテレビ系で26日は18時55分から、29、30日は19時から。TBS系では25、28日に19時から放送

★ポーランドがアテネ切符獲得

 男子世界最終予選ポルトガル大会で23日、ポーランドがカザフスタンを3−0で下して3連勝。ポーランドの1位が確定し、2大会ぶりの五輪出場が決まった。これで男子バレーの五輪出場12カ国のうち、ブラジル、イタリア、セルビア・モンテネグロ、米国、ロシア、アルゼンチン、チュニジア、ギリシャ、ポーランドの9カ国が決まった。


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