カナ打ちまくったが柳本ジャパン8強止まり

必死のブロックも届かず、中国にストレート負け バレーボール女子の準々決勝が行われ、日本は0−3で中国に完敗。20年ぶりのメダル獲得の夢は消えた。それでも主砲の大山加奈(20)=東レ=を中心に最後まで粘りを見せた。新チーム結成1年半足らずでたどりついた五輪8強の経験を生かし、4年後の北京五輪に向けて新たな戦いが始まる。〔写真:必死のブロックも届かず、バレー女子は中国にストレート負け。20年ぶりのメダルの夢は消えた=撮影・鈴木健児



 最後は大山のサーブレシーブが大きくコートの外にそれていった。涙をためる選手、満足そうに笑顔を見せる選手…。日本のアテネ五輪は8強で幕を閉じた。

 「よくやってくれた。今持っている力で最高のバレーをした」

 柳本晶一監督(53)は無念さ半分だ。20歳の大砲・大山が迫力あるスパイクで中国の守備を崩す場面もあったが、肝心なところで攻撃はブロックにつかまった。「経験の差が出た」と同監督。チーム結成が「正味1年」ではここまでが精いっぱいだった。

 世界との差。次に向けた動きは起きている。日本バレーボール協会は9月初旬、全国の中学生有望選手を集め、トライアウトを実施し、全日本予備軍を育成していく予定だ。

 “バレー学校”の構想もある。大阪・貝塚のトレーニングセンターに中高生選手が集まり、練習漬けの日々を送るというプラン。周辺の学校に通い、家庭教師もつけて勉強も欠かさない。中国ではすでに取り入れられているシステム。「それぐらいしないと、中国には勝てない」と関係者。4年後の北京五輪では、この学校の出身選手が日の丸を背負っているかもしれない。

 「本当にいい経験になったので、次に生かしたい」。4年後の中核となる大山は、前を見つめてきっぱり言い切った。目標はあくまで金メダル。アテネの屈辱から、真の復活への第一歩を踏み出した。

★メグはガックリ「世界の厳しさがわかりました」

 若きエースの栗原恵(20)=NEC=は、下を向いてコートをあとにした。この日は5得点。中国のブロックを意識して、スパイクを思い切って打ち切れず、途中で佐々木、木村と交代する場面もあった。「自分の実力はまだまだ。世界の厳しさがわかりました」。苦い経験をバネにさらに上を目指す。

 ◆中国・徐利監督 「ハイレベルな試合だった。とくに日本は守りがよかった。でも、わたしたちはブロック、スパイク、それにサーブでも上回っていた」


★寺廻太★

 今大会では中国戦の内容が一番だったが、5月の五輪最終予選の方が勢いはあった。結局、五輪にピークを持ってこれなかったのが敗因だ。昨年のW杯、最終予選でのバレーを見せてくれれば、1次リーグで上位に入っていたと思う。

 五輪出場が決まってから勝ちパターンを見いだせなかったのが痛い。本番でも最後まで手探り状態だった。サーブレシーブをセッターの竹下に送る展開が少なく、サーブで相手の攻撃を切り崩せない。チームのモチベーションが保てず、挑戦者になりきれなかった。

 頑張っていたのは大山。さらに栗原、木村を加えた3人は新チームの中心だ。他にもまだ有望な若い選手はいる。2大会ぶりに五輪出場を果たしたことで、女子バレー復活の兆しが見えたのは間違いない。北京五輪はあっという間にやってくるぞ。頑張れ、女子バレー!

元全日本男子監督



著作権、リンク、個人情報について