愛ちゃんは秘技「王子サーブ」も最初から全開!

愛ちゃんの秘技「王子サーブ」 【マトンバ(イタリア)3日=結城正】アテネ五輪に出場する卓球女子代表が3日、最終合宿地のイタリアに到着した。日本卓球史上最年少代表で、活躍が期待される福原愛(15)=ミキハウスJSC=に、父・武彦さん(61)は、初戦から必殺技の“王子サーブ”を積極的に繰り出すよう、ゲキを飛ばした。ここ一番のとき以外は封印していた秘技を惜しげなくさく裂させ、愛ちゃんがスタートからアクセルを踏み込む。〔写真:出し惜しみはしない。愛ちゃんの秘技「王子サーブ」が序盤からさく裂だ

 余力は残さない。出せるものはすべて出す。どん欲に勝利を手にするため、愛ちゃんに“エンジン全開指令”が出た。

 「攻めていけば大丈夫。王子サーブも(早々に)出すよ。1回でも負けたら、終わりだからね」。国内外の試合に帯同し、精神面で支えてきた父・武彦さんは、練習地のマントバへの移動車に乗り込む娘の背中に、声をかけた。

 王子サーブといえば、愛ちゃんの秘技中の秘技。本人が「流れを変えたい時に使う」というように、これまでは劣勢をはね返して逆転を狙う局面や、確実に点数がほしい場面だけに限って繰り出してきた。一度も使わなかった大会もあるほどのいわば、“切り札”。だが、トーナメント制の五輪で、秘技を繰り出すタイミングを逃し、敗退してしまえば、泣くに泣けない。出し惜しみはしない作戦だ。

 3日にミラノ・マルペンサ空港に到着した愛ちゃんは、長い移動時間に、やや疲れた表情も見せた。「機内はずっと寝てました。まだ寝ます」と、“おねむ”状態。「イタリアは食べ物が楽しみ。あと、お散歩とか」。どうやら本番モード突入は、時差に慣れてからになりそう。

 卓球の組み合わせ抽せんは、12日。2回戦から登場するシードだが、いきなり強豪と対戦する可能性もあり、一瞬も気は抜けない。「攻められれば大丈夫。やるだけのことはやった」と自信をみせる父・武彦さん。秘技の封印を解き、メダルの夢に向かって突っ走る。

★王子サーブ★

 約3メートルほどの高さまで球をトスして、深くしゃがみ込みながら、ラケットで球を縦に切って打ち込む世界的にも珍しいサーブ。球速が増すとともに、強い回転がかかり、“七色の変化”を見せるため、相手は対応が難しい。大阪・阿倍野区の「王子卓球センター」で青少年に指導する作間六郎さんが、テニスなどをヒントに研究を重ね、編み出した。武彦さんが作間さんに頼み、愛ちゃんは、小学4年の時にこのサーブを伝授された。


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