【卓球】愛ちゃん臆せず格上年上ガオを25分で一蹴

 卓球女子単3回戦で、日本選手団最年少の福原愛(15)=ミキハウスJSC=が格上でバルセロナ五輪女子複銀メダリストのガオ・ジュン(35)=米国=に4−0でストレート勝ち。16強入りを果たし、日本時間19日午前0時からの4回戦では世界ランク6位の金●(日へんに景)娥(27)=韓国=と対戦する。〔写真:「ターッ!」。元メダリストを一蹴、16強入りした福原。わずか15歳での「金」獲得も夢ではない=撮影・尾崎修二



 落ち着いていた。世界ランクでは「15」上の12位、身長で16センチ上回り、年齢も20歳上のベテラン、ガオに福原は臆することなく攻めていった。

 得意のバックハンドが冴え渡る。表ソフトのラバーで微妙な変化をかけ、相手のミスを誘う。まったく危なげなし。わずか25分間で元五輪メダリストにストレート勝ちした。

 「もっと競ると思ってました。相手は格上の選手なので、自分から攻めていこうと思いました。きょうは緊張も少なかったです」

 初戦(2回戦)で格下のミャオ(豪州)にフルセットの大苦戦をしたのが嘘のよう。早くも五輪の雰囲気に慣れていた。中国・遼寧省の乙リーグでも活躍する福原には中国の報道陣も注目しているが、取材には北京語で対応。スポーツバッグに大量のマスコットやお守りをぶら下げている姿は、すっかり卓球会場の人気者だ。

 ベスト8入りをかける4回戦の相手は金●(日へんに景)娥。世界ランク6位は中国勢以外では最上位の実力者だが、今年1月に五輪会場で行われたギリシャ・オープンで負けたとはいえフルセットの接戦を演じている。

 「今回はがんばって勝ちたいけど、自信がありすぎるといつも負けるので、自信は控えます」
 じつに不敵な笑顔。アテネ五輪に向けて強く重い球が打てるラバーを用意し、カットマンの金への対策もバッチリだ。勝てばベスト8。初の五輪で入賞の快挙が待つが、すでに昨年の世界選手権個人戦で単ベスト8の実績を持つ。

 15歳での金メダル獲得まで、あと「4」。愛ちゃんの快進撃を日本中が信じている。

★そのとき★

 観客席で見守った母・千代さん(53)は試合後すぐに愛娘に駆け寄り、しっかりと握手。そのとき母は気づいていた。「手の平は熱かったけど、手の甲はすごく冷たかった。それだけ緊張していたんでしょう。立派です」。前回は試合会場の手荷物検査にひっかかってしまった差し入れのおにぎりも、今回は6個すべてが無事に手渡せた。試合が続く限り、おにぎりを握り続ける予定だ。

★ミキハウスでも「やったー」


 福原愛選手が所属するミキハウス本社(大阪府八尾市)では17日、社員ら約100人が玄関ホールに集まり、設置した大型画面を見つめた。「やったー」。勝利の瞬間には女性社員らの大歓声が。福原選手と練習をしてきた樋浦令子さん(20)は「1セット目から冷静だった。今日のようなら次も勝てる」。

 中学の卓球部員という川村愛さん(15)は「愛ちゃんは自信満々ですごい。尊敬してます」と興奮気味に話していた。

写真:福原の圧勝劇に、所属先のミキハウスの本社社員は万歳三唱。もうお祭り騒ぎだ=撮影・頼光和弘

★青森山田高、甲子園敗退の野球部員も熱い応援

 福原が通う青森山田高校(青森市)では17日夜、集まった約100人の生徒らが沸いた。応援には夏の高校野球、甲子園大会1回戦で涙をのんだ野球部員らも駆けつけ、4回戦進出が決まるとメガホンを打ち鳴らし「いいぞ、いいぞ愛ちゃん」と球児の“聖地”甲子園仕込みのコールを繰り返した。甲子園で力投した2年生の投手柳田将利君(16)も「堂々とした勝ちっぷりでびっくり」とエールを送った。


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