【ソフトボール】アッ、宇津木ポロリで日本延長黒星
ソフトボールは1次リーグ3戦目を行い、悲願の金メダルを目指す日本は、五輪連覇中の王者・米国と対決。高山樹里投手(27)が七回まで無安打の力投を見せたが、延長八回、一死三塁で宇津木麗華三塁手(41)が平凡な三邪飛を捕球できないアクシデント。ここから3点を失い、悪夢の敗戦を喫した。日本は初戦の豪州戦に続く黒星で1勝2敗となった。〔写真:力投を見せる先発の高山。世界最強の米国を相手に、凡打の山を築いたが、延長八回に力尽きた=撮影・尾崎修二。同下:延長八回一死三塁で平凡な三邪飛を前に落とす宇津木=撮影・尾崎修二〕
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アテネの灼熱(しゃくねつ)の太陽は非情だった。0−0で迎えた延長八回一死三塁。フルカウントからファウルで粘っていたジュンが、16球目に三邪飛を打ち上げた。秒速約14メートルの強風の下、三塁手の宇津木は慎重に捕球体勢に…。そのときふいに足が止まり、その手前にボールは落ちてしまう。まさかのシーン。緊迫の投手戦の流れが一気に変わった。
「太陽が真上にあった。風の準備はしてたんだけど…。素人みたいなミスして、高山に申し訳ない。理想的な試合だったので、勝たないといけなかった」
41歳のベテランは唇をかんだが、このアクシデントを境に、高山の調子は一転。四球、中犠飛、3連打を浴びて3失点。七回までのノーヒッターが一転、敗戦投手となった。シドニー五輪の決勝でも延長八回に左翼手の落球でサヨナラ負け。五輪の舞台で悪夢が再現されたが、高山は試合後、あえて前を向いた。
「打たれたのは自分が悪いんですよ。久しぶりの米国戦で楽しかった。バッテリーでうまく配球できたし、若い知らないバッターとも対戦できたし、次の試合に生かせると思います」
決勝で米国と再び当たることを想定し、1次リーグは若きエース上野を温存。過去2度の五輪を経験している投手陣最年長27歳の高山は、偵察役をきっちりこなした。高低を使い分ける4種類のライズボールとチェンジアップで強力打線を徹底チェック。あとは味方の援護を待つだけだ。
「米国は日本の特徴をつかみ、打てるボールを投げてこないけど、点を取らないと勝てない」
宇津木妙子監督は、米国の左腕オスターマンに1安打完封された打撃陣の立て直しを誓った。02年7月のUSカップ決勝から対米国7連敗。このうち6試合が完封負けで得点は1点のみだ。高山の悲劇を繰り返すな。悲願の金メダルは打線の爆発なくして達成されない。
(牧慈)
★タイブレークルール★
七回を終えて同点の場合、延長に入った八回以降に採用される方式。攻撃チームが前の回の最終打者を二塁に置いた無死二塁の状況からプレーを始める。試合進行をスピードアップすることなどが目的。
★オスターマン好投で米国は勝機得る
五輪3連覇を狙う米国は、延長戦でようやく打線がつながり3点を挙げた。これを引き出したのは8回無失点のオスターマンの好投だった。五輪初出場で21歳の左腕は、速球を武器に11三振を奪い、被安打も1。「先に気を許したら負けだと思っていた。高山は素晴らしい投手だった」と高いレベルで投げ合った相手をたたえていた。
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