【ソフトボール】「六色の魔球」で坂井が台湾完封

初勝利にわく日本ナイン 宇津木ジャパンが1次リーグ2戦目でアテネ初勝利を挙げた。ソフトボールの日本は七色の変化球を操る坂井寛子投手(25)=戸田中央総合病院=が、台湾打線を散発2安打に抑える無四球完封勝利。前日は豪州に無安打に封じられた打線も一転、13安打6点をたたき出した。16日は宿敵・米国戦。金メダル争いの前哨戦で必勝を期す。〔写真:初勝利にわく日本ナイン。初戦の無安打完敗のショックを吹き飛ばした=AP



▼1次リーグ
台湾(2敗)
日本(1勝1敗)×
(台)林素華、頼聖蓉−楊慧君
(日)坂井−山路


 最後の打者を三ゴロに打ち取ると、サンバイザーを目深にかぶっていた坂井が笑顔をはじけさせた。金メダル奪取を悲願とする宇津木ジャパンにアテネ初勝利をもたらしたのは、25歳の技巧派右腕だった。

 「7回をしっかり投げきることを考えてマウンドに立ちました。急ぎすぎず丁寧にいこうと、ペースをゆっくりにしたのがよかったです」

 かつてはMAX105キロの直球だけで三振の山を築く日本屈指の速球派だった。だが、地元日本開催の98年世界選手権、00年シドニー五輪と連続で代表落ち。「かなり荒れました。ソフトやめよかと…」。

 転機は02年からの打撃有利のルール改正。バッテリー間の距離が12・19メートルから13・11メートルに約1メートルも伸び、その対策として変化球のマスターに取り組んだ。ライズやドロップなど縦への変化球が主流のソフトボールにあって、今では6つの球種を操る坂井の最大の武器はシュート、スライダーなど横への変化。投球の幅を広げ、01年に日本代表入り。世界屈指のカミソリシュートで凡打の山を築いてきた。

 「失投をヒットされたのは反省点。まだ合格点じゃないけど、投手4人で協力していきたい」

 完璧(かんぺき)主義者の理想は高いが、待望の五輪で台湾を相手に余裕の投球。21のアウトのうち三振は1個だけでゴロが15個。打たせて取る投球で初登板初先発初完封をやってのけ、初戦・豪州戦での完敗の嫌なムードを吹き飛ばした。

 「内容はともかく、勝ったのはいいこと。あしたは米国を意識せずに普段どおりの試合をしたいですね」

 宇津木妙子監督もホッと一息をついた。16日は米国戦。02年7月のUSカップ決勝から6試合連続1点差負けを喫しているライバルに、進化した日本の力を見せつける。

(牧慈)


打線もお目覚め13安打6得点

 初戦の豪州戦で沈黙した日本打線がようやく目覚めた。緩慢な走塁で2つの本塁憤死を喫するなど反省点もあるが、13安打6得点。米国戦に向け快音が戻ってきた。4番・斎藤、5番・宇津木の両ベテランもアテネ初安打を放ち、ご機嫌。「チームの調子は上がってきた。第1戦の負けを糧にして、米国戦はしっかり戦いたいです」と宇津木。米国投手陣に徹底研究されている41歳の大砲がひと振りにかける。

始球式の竹田団長もホッ

 日本選手団の竹田団長が、日本vs台湾で始球式を務めた。本格的な競技初日となった前日は、日本の女子チームは5競技で戦ったが、いずれも黒星。それでも竹田団長は「柔道の3つの金メダルで勢いの乗れそうな感じがある」と強気だった。この日のソフトボールの初勝利には「これで乗っていくと思う」とホッとした様子だった。

競技方法★

 参加8カ国による1回戦総当たり方式で1次リーグを行い、上位4チームが決勝トーナメントに進む。トーナメントはページシステムといわれる方式で行われ、まず(1)予選1位vs同2位(2)同3位vs同4位−の組み合わせで対戦し、(2)の敗者が4位となる。(1)の敗者と(2)の勝者の対戦が準決勝で、この敗者が銅メダル。準決勝の勝者は(1)の勝者と決勝を行い、金、銀メダルを決定する。

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