【ソフトボール】日本まさかの黒星、上野被弾&無安打…

上野由岐子投手 悲願の金メダルを目指す宇津木ジャパンが、まさかの完敗スタートとなった。ソフトボールで前回銀メダルの日本は、同銅メダルの豪州に徹底研究され、先発のエース上野由岐子投手(22)=日立&ルネサス高崎=が4回3失点KO。打線も押し出し四球で2点を挙げたのみで、2投手の前に無安打に封じられた。15日は台湾戦。16日に宿敵・米国戦を控えるだけに、アテネ初勝利を今度こそ飾る。〔写真左:四回、2ランを浴びた上野は、マウンドでぼう然。日本は豪州にまさかの完敗を喫した=共同。同下:六回、宇津木監督を中心に円陣を組む日本代表チーム。豪州を相手にまさかの無安打完敗発進となった=共同



▼1次リーグ
豪州(1勝)
日本(1敗)
(豪)ウィルキンズ、ハーディング−カーパディオス
(日)上野、高山−山路
▼本塁打 ティトキューム


 日本の敗戦が決まった瞬間、三塁側で次の試合を待っていた米国チームが抱き合って喜んだ。金メダルを争うライバルの目前で、打線は無安打、守備でも2失策、そしてエース上野が2ラン被弾を含む4回3失点KO。宇津木ジャパンがまさかの完敗発進だ。

日本代表チーム 「真っすぐは悪くはなかったし、変化球も普通だったと思うけど、向こうがしっかり研究してきたかな」

 初の五輪で敗戦投手になった上野が唇をかみ締めた。実は試合前、立ち入り禁止の外野フェンス外に豪州関係者が入り、電光掲示板の右側にカメラを設置。日本のサインはこのレンズを通し豪州側に伝わった可能性があった。相手による徹底研究。これが五輪。金メダルのためには乗り越えなければならない壁だ。

 「自分が安易になったところもあったかもしれない。思ったより緊張しなくて、あまり五輪という気がしなくて…」

 上野は三回には自己最速タイの117キロもマークしたが、ドロップなど変化球を狙われ、二回に4安打で1失点。四回無死ではティトキュームに中堅へ2ランをたたきこまれた。一方、打線は一回に豪州先発ウィルキンズの5連続四球で2点をもらったのみ。

 「サインを盗まれていたけど、それをかわすくらいで行かないといけない。あしたから切り替えてやればいい」。宇津木妙子監督はあえて前を向いた。初戦黒星で目覚めればいい。1次リーグで4位以内なら、決勝トーナメント進出。まだ金メダルのチャンスはある。悲願達成は、この敗戦の先にある。

牧慈


★豪州のベテラン、ハーディングに抑えられた

 豪州は2番手で登板した32歳のベテラン、ハーディングのパワフルな投球が光った。乱調の先発ウィルキンズを救援。6回1/3を無安打に封じ、初戦の勝利を引き寄せた。アトランタ五輪後、日本リーグのミキハウスにも所属。一度は代表から外されたこともあったが、アテネ五輪を前に再び代表に復帰。ベテラン健在をアピールした。

★豪州★

 女子ソフトボールの草創期からの強豪で、65年第1回世界選手権の覇者。近年は日本リーグでも活躍したターニャ・ハーディング(32)、メラニー・ローチ(33)の両右腕が投打でチームを牽引(けんいん)し、98年世界選手権銀メダル、五輪では96年アトランタ大会、00年シドニー大会と連続で銅メダルを獲得した。シドニー五輪後は若手に切り替えたが、02年世界選手権で8強止まりに終わり、両ベテランを復帰させて巻き返しを図っている。

★始球式はパパブッシュ、福山雅治も観戦

 ソフトボールの1次リーグは、この日から7連戦の長丁場だが、上野、三科、山田、坂本の4選手の家族は全試合を観戦予定という気合の入れようだ。この日はさらに、野球代表のほか、俳優の福山雅治も観戦に訪れた。始球式にはブッシュ米大統領の父で元大統領のジョージ・ブッシュ氏が登場。ボールを受けた山路とともに笑顔で記念写真に納まった。

★五輪ソフトボール過去の上位成績
開催地1位2位3位
96アトランタ米国中国豪州
00シドニー米国日本豪州


★競技方法★

 参加8カ国による1回戦総当たり方式で1次リーグを行い、上位4チームが決勝トーナメントに進む。トーナメントはページシステムといわれる方式で行われ、まず(1)予選1位vs同2位(2)同3位vs同4位−が対戦し、(2)の敗者が4位となる。(1)の敗者と(2)の勝者の対戦が準決勝で、この敗者が銅メダル。準決勝の勝者は(1)の勝者と決勝を行う。

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