【射撃】ホルンを散弾銃に変え、井上恵が納得の5位
サングラスの奥の鋭い視線が初めて緩んだ。18日のクレー射撃女子ダブルトラップに、競技歴7年で出場した井上恵(31)=神奈川県協会。メダルに届かなかったが、納得の笑みを浮かべた。
「メダルは獲りたかったけど、自分の残した結果には満足してます」。12歳で金管楽器のホルンと出会い、武蔵野音大までオーケストラの一員として活躍したが、96年にクレー射撃に挑戦した。茶道部からクレー射撃に転向し、わずか3年でアトランタ五輪に出場した吉良佳子の存在がきっかけとなった。
スポーツ経験は小学生時代に、スイミングスクールに通った程度。“文科系”から一念発起し、ジムで週3回の筋力トレーニング。アルバイトをしながら射撃場へ足を運び、規定ぎりぎりの400発を撃ちこんだ。
努力の結晶がスピード出場、そして最高のパフォーマンスに結びつく。予選の最終ラウンドで、公式戦の自己最多となる39点をマーク。首位と1点差の3位で決勝に進み、140点で5位に入賞した。あの吉良の6位を塗り替える、クレー射撃女子の最高位だ。
2008年北京五輪では、ダブルトラップの競技実施が微妙になっているが「種目を変えてでも、また五輪に挑戦します」。アテネの青空に響いた銃声は、いつまでも耳から離れない。
〔写真:クレー射撃女子ダブルトラップで、5位に入賞した井上恵。音大卒の女性スナイパーは、4年後の北京でメダルを目指す=共同〕
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