松田健次郎氏急死、弔い五輪・奮起誓う
日本セーリング連盟専務理事でアテネ五輪日本チーム監督を務めることになっていた松田健次郎氏=写真=が25日午前11時21分、くも膜下出血のため神奈川・伊勢原市内の病院で死去した。68歳だった。五輪を目前にしての悲報に、代表候補選手たちはアテネでの奮起を誓った。
★アテネ五輪特別委員会委員長に就任
突然の悲報だった。松田氏は64年東京五輪にフライングダッチマン級代表として出場。現役引退後は日大監督を務めるなど指導者として手腕を発揮し、01年に日本セーリング連盟の専務理事とアテネ五輪特別委員会の委員長に就任。日本代表の監督として、各種目の五輪代表出場権をかけた海外レースを選手とともに転戦してきた。日本連盟によると、直前まで日本チームの業務をこなしていたが、25日未明に体調不良を訴えて病院に運ばれたという。
★中村健次「先生のためにもがんばりたい」
日本勢は現在、6種目でアテネ五輪出場枠を獲得しているが、日本代表監督の突然の逝去に、とくに衝撃を受けたのは中村健次(40)=関東自動車工業=だ。日大時代に当時監督の松田氏から指導を受けた愛弟子。五輪予選を兼ねてアテネで行われた49er級世界選手権(19日)で同僚の高木正人と組んで24位となり五輪出場枠を獲得、アテネ五輪代表に内定したばかり。アテネを発つ直前に関係者からのメールで恩師の死を知り、この日帰国したばかりだった。
「驚きました。松田先生と一緒に五輪に行くという、20年越しの夢がかなうと思っていたのに」とショックを隠しきれなかったが、「アテネは4度目の五輪なので、松田先生のためにもがんばりたい」と決意を新たにした。追悼の思いを胸に秘め、恩師の行けなかったアテネの海へ旅立つ。
■葬儀日程
通夜は28日午後7時から、葬儀・告別式は29日午前11時からいずれも横浜市戸塚区戸塚町461、親縁寺テンプル斎場で。喪主は長男育典(いくのり)氏。自宅は横浜市戸塚区小雀町2148。
★後任人事は
日本連盟の山崎達光会長は「残念としか言いようがない。松田さんが築いてきたことを五輪につなげたい」とし、GW明けにも後任の人選を決めたい意向だ。ただ、人事は難航が予想される。候補者のほとんどは会社員。海外遠征の多い競技だけに、不況の折、勤務先の企業の理解は得られにくい。松田氏も定年退職後に強化の責任者に選ばれた。小松一憲コーチは「監督不在の状態は現場が混乱する」と、早期の監督決定を求めた。
●…ミストラル級女子で、代表が確実な今井雅子(37)は、訃報に驚きを隠せない様子。「ヨットが好きで好きでたまらない方で、どんな合宿の時に先陣切って、船に乗っていらっしゃった」と、振り返った。18日までトルコで行われた世界選手権でも、荒れ模様にもかかわらず海に出てチームを束ねていたという。「“もっとできるんだから、自分を信じなきゃダメだ”と五輪に向けて励ましてもらったのに…」と、故人を悼んでいた。
◆ミストラル級男子見城元一 「亡くなる2日前に電話で話したばかりなので、ビックリしたというのが正直な気持ち。厳しい言葉をかけるのではなく、温かく見守って下さった方でした」
★日本の現況
日本は、これまでに470級男女、ミストラル級男女、レーザー級男子、49er級男子の6種目で国別のアテネ五輪出場枠を獲得している。代表は5月29日の理事会で正式決定。今年の世界選手権で日本最上位となったミストラル級男子の見城元一、女子の今井雅子(ともにピザーラオーシャンスポーツクラブ)、49er級男子の中村健次、高木正人(ともに関東自動車工業)組は、代表に選出されるとみられる。
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