代表4人、後ろ向きで漕ぎ前向きアピール
後ろ向きで、前向きにアピール?! まるで“なぞなぞ”だが、これがボート・アテネ五輪代表チームの胸の内だ。3大会連続出場の武田大作(30)=ダイキ=は、浦和重(28)=NTT東日本=とのコンビで軽量級ダブルスカルに出場し、日本初のメダルを狙う。〔写真:浦とともに調整する武田=右〕
◇
静かな水面で、ひたすらボートを漕ぐ。5日から23日まで、岩手県の田頭湖で合宿を行っている代表チーム。男子コンビは早くも、メダル獲得へ士気が高まる。
「よくカヌーと間違えられて、ボートが後ろ向きで漕ぐ競技だと知られていないんです。知ってもらうには、勝つことが大事なんです」。シドニー五輪で日本初の6位入賞を果たした武田は、さらなる野望を抱く。
日本は体格差を考え、軽量級に力を入れてきた。しかし、世界的にはオープン競技が主流で、五輪での軽量級廃止が何度も論議されている。国際ボート連盟の役員を務める武田は言う。「ボート後進国のために、軽量級を残そうという考えになってきている。ただ、今後は(規模縮小による)出場制限が間違いなく出てくるので、五輪上位を目指すには、今の方がラクかもしれない」−。
日本のボート人口は1万2000人から、9000人まで減少。今こそ、前向きにアピールするしかない。
| ◆アテネ五輪・ボート日本代表◆ |
| 種目 |
氏 名 |
所属 |
年齢 |
| 男子軽量級 |
武田 大作 |
ダイキ |
30 |
| ダブルスカル |
浦 和重 |
NTT東日本 |
28 |
| 女子軽量級 |
岩本亜希子 |
アイリスオーヤマ |
25 |
| ダブルスカル |
内山佳保里 |
デンソー |
28 |
|
★女子は美貌でも勝負
岩本亜希子(アイリスオーヤマ)と内山佳保里(デンソー)の“美人コンビ”は、女子軽量級ダブルスカルでファンのハートをつかむ。岩本の母校・岡谷南高ボート部はかつて国体などを制覇したが、現在は部員わずか1人。危機感は誰よりも感じている。「自分たちの結果が、ボート普及につながればいいですね」と言えば、相棒の内山は「五輪で何度も、テレビに映るように出ていきます」と宣言した。
〔写真:岩本=左=と内山。美女コンビでボート界を盛り上げる〕
★五輪日本史
1866年にボートが日本に伝わった。1905年に第1回の早慶対抗レースが開かれ、20年には日本ボート協会の前身の日本漕艇協会が創立し、全国的に幅広く普及した。五輪には28年アムステルダム大会から参加し、2000年シドニー大会では男子軽量級ダブルスカルの武田大作、長谷等組が6位で初の入賞を果たした。
★世界の勢力
伝統的に欧州勢が強く、男女ともにドイツ、英国、イタリアが上位。そこに出場国で最多タイの12種目に代表を送り込む豪州、米国が加わる。日本が出場する軽量級はイタリアが最上位で、アジア最強の中国が続く。日本も男子は、トップ10位圏内に入る。
★ルール
国際大会は2000メートルの距離で争う。各艇の先端が決勝線を通過した順番で勝敗が決まる。種目は体重無差別のオープンと軽量級があり、そのなかで漕手が2本のオールを使うスカル、1本のオールを使うスウィープ、1人乗り、2人乗り、4人乗り、8人乗りと種目が細かく分かれる。五輪では男女合わせて14種目が行われる。
|