谷亮子は男子ブン投げ金獲りいける!
【アテネ9日=臼杵孝志】やれる、いける、金獲りだ! 柔道女子48キロ級で五輪連覇を狙う谷亮子(28)=トヨタ自動車=がアテネ到着から一夜明けた9日、他の男女代表とともに初練習を公開。いきなり男子学生選手をブン投げた。7月中旬に左足腓骨(ひこつ)筋腱を痛め、アテネでは完全隔離、極秘の非公開練習を続けるとみられていたミセスYAWARAが一転して、超人的回復の“完治”を強烈アピール。夫の野球日本代表、谷佳知外野手(31)=オリックス=との夫婦金メダルに希望の光がみえてきた。〔写真:軸足となる左足の不安をいっきに吹き飛ばす。見よ、この谷のスピード感!。同下:父が巻いたテーピング。これで痛みも忘れます=撮影・那須稔〕
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いる。そこに、谷がいた。全日本柔道連盟(全柔連)が前線基地として独自に確保したビロナス市営体育館。表情は硬いが、動きは軽い。連覇を目指す強い気持ちで痛みを消し去ったミセスYAWARAの気合のこもった声が、会場内に大きく響いた。
「テーピングがいい具合で、日に日に状態は上向いてます。手ごたえはいいですよ」
帯同する5人の練習パートナーを相手に積極的な乱取りや打ち込み。相手の男子学生選手を豪快に投げ飛ばした。痛めた左足は、軸足となるが技の切れ味はサビついていなかった。
7月12日(大阪)の合宿中に畳と畳のすき間に左足親指を挟み、「左腓骨(ひこつ)筋腱損傷」と診断された。アテネ入りする直前の全日本合宿(東京・講道館)では他の代表選手とは別の道場を使用、出入り口を固く締めたまま非公開の練習を敢行。4日の会見では回復具合は「70%くらい」と説明し、アテネ入りしてからも完全隔離、極秘練習を貫くとみられていた。その重い“鉄の扉”がいともあっさりときはなたれたのだ。
6日にアテネ入りしていた父・勝美さん(54)の強力サポートがあった。治療院を経営する父はこの日の練習前に40分をかけて、娘の左足首を入念なテーピングで固めた。「この2日間は(移動のため)練習できなかったから、強度を高くする巻き方をした。調子? いいんじゃないの」
福岡市内の実家でのリハビリ中は、1日3時間もマッサージを施すなど24時間態勢でまな娘をバックアップ。「強い気持ちがあるし、調子がいいからけがの治りも早い」。前回のシドニー五輪前でも、谷は左足を打撲したが、父の献身的な治療が実って金メダルを獲得している。五輪連覇にかける娘の精神力には、勝美さんも脱帽だ。
「結婚して弱くなったといわれたくない」。ミセスとして初めて臨む五輪。出番は開会式翌日の14日。数々の修羅場をくぐり抜けてきた女王の真価を発揮するときが、やってくる。
◆日本女子の吉村監督は上機嫌 「ブランクを感じさせない動き。技の最後の決めができれば、本調子。みんな(谷が)あれだけやると思っていなかったろう」
★谷亮子けがの経緯★
◆7月12日 大阪市内で行われた強化合宿の初日。畳の間に左足親指を挟み後ろ向きに転倒。「左足腓骨筋けん損傷」と診断される
◆15日 福岡市内にある実家に戻り、静養
◆23日 くるぶし付近の腫れが悪化。東京・講道館で行われた柔道選手団の壮行式を欠席。日本選手団結団式と、釧路での強化合宿の不参加も決定
◆26日 腫れ、内出血ともに快方に向かい、実家でリハビリ開始
◆8月4日 講道館での全日本合宿に参加も、1人別行動。完全非公開で投げ込み、乱取りなどのメニューをこなしたという
◆7日 アテネへ出発
| ★前線基地★
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| 金4、銀2、銅2のシドニー五輪を上回るメダル獲得を目指す柔道ニッポン。その前線基地が、アテネ市に隣接するビロナス市営体育館。全柔連が独自に確保し、五輪期間中も独占使用。約300枚の畳は道場の畳を新しくした国士大から譲り受けたもので、五輪後は地元に寄付される。さらに全柔連ではエアコン12基も新たに設置。この日の初練習に間に合わせた。女子担当・木村昌彦コーチは「本番会場の温度は21、22度で設定されていると聞いている。暑いところで練習し、試合は涼しいところでは調整が難しいから」と説明した。 |
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