谷亮子、長嶋茂雄監督に金メダルを宣言

谷亮子 アテネ五輪に出場する日本選手団の本隊153人が7日、成田発の航空機で現地へ出発した。左足腓骨(ひこつ)筋腱を痛めている柔道女子48キロ級代表・谷亮子(28)=トヨタ自動車=は、脳梗塞(こうそく)のためアテネでの指揮を断念した野球代表・長嶋茂雄監督(68)に、金メダルをささげることを宣言。けがをはね除けて、五輪連覇の偉業を成し遂げてみせる。〔写真右:成田空港から元気に出発した谷亮子。YAWARAスマイルが戻った=撮影・原田史郎。同下:長嶋さんとツーショットの谷。きっと朗報を届ける

★お土産は金メダル

 ミスターが目指していたアテネから、金メダルという良薬を届けたい。長嶋監督がほほえむ広告のそばで、谷が表情を引き締めた。

 「アテネへ一緒に行こうね、と話していたのに…残念です」

長嶋茂雄 長嶋さんはかけがえのない人だ。昨年9月の世界柔道大阪大会で前人未到の6連覇を果たした際に、優勝食事会を開いてくれた。それから3カ月後のプロ野球オリックス・谷佳知外野手(31)との結婚披露宴では来賓あいさつをしてくれた。

 7月12日、日本代表合宿での乱取り中に畳のすき間に足を取られてけがをした。その数日後、夫の携帯電話にミスターから電話がかかってきた。「監督が心配してくださったみたいで…」。五輪出場さえ危ぶまれる状況で落ち込んでいた時、長嶋さんの励ましがどれほど心強かったことか。

 今月4日に乱取りを再開して以降、足の状態は順調に回復。この日は、日本選手団に支給された靴ではなく市販されている厚底のスニーカーを履いてきた。「重心がかかとにかからないようにするためです」。万全の状態でアテネへ向かうため細心の注意を払った。

 人生の恩師はいま、病と闘っている。長嶋さんが倒れた当初は手紙を書こうと考えたが、激励の花束が殺到していることを関係者から聞かされ、迷惑にならないように見舞いのメッセージを長男の一茂氏に伝えた。「一緒に日の丸を揚げよう」というミスターの願いはかなわなかったが、その夢は受け継いだ。「期待に応えられるよう、がんばります」と宣言して機上の人になったYAWARAちゃん。長嶋さんに今度会うときの手土産は、金メダルと決めている。

★回復に自信

 一時は左足を地につけられないほどの重症だったが、カイロプラティックや消炎効果のある馬刺し治療で驚異的な回復をみせている。馬刺しは現地での調達は難しそうだが、「テーピングを巻いたりして工夫するつもりです」と心配なしを強調。チーム関係者も「内出血もだいぶ引いてきたし、アイシングすれば大丈夫」と早期回復に自信をみせた。


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