男子100キロ超級の鈴木も金、日本柔道金8個

鈴木桂治 柔道男子100キロ超級決勝で、鈴木桂治(平成管財)はトメノフ(ロシア)に1分17秒、小外刈りで一本勝ちし、金メダルを獲得。88年ソウル五輪の斉藤仁以来、16年ぶりに最重量級の五輪タイトルを奪回した。日本は男女合わせて14階級中8階級で金メダルを獲得する史上最高成績を挙げた。

写真:男子100キロ超級でロシアのトメノフを破り金メダルを獲得、ガッツポーズする鈴木桂治=アノリオシア・ホール(共同)



 天に向かって思わず両手を突き上げた。柔道男子100キロ超級で鈴木が金メダル。エースの男子100キロ級・井上が惨敗し、沈んでいた日本のムードを吹き飛ばした。

 「感無量です。(柔道の)最終日ということもあり、男子で一番重いクラスで責任重大だった。変な柔道はできなかった。勝ちにこだわった。緊張というより、わくわく感が大きかった」。涙はなかった。

 小外刈り、大内刈り、出足払いといった足技がさえ渡った。全身の感覚を研ぎ澄ませ、相手の重心のありかを察知。一瞬の足の動きで10−20キロは重い巨漢をいとも簡単に崩してしまう。見ている方が不思議に感じる試合の連続だった。

 決勝の相手はトメノフ。体格はそれほど大きくないが、鈴木同様のテクニシャンで、嫌な相手だ。内またを警戒してか、なかなか前に出てこない。1分17秒、鈴木が虚を突く動きから小外刈り。相手はあっけなく倒れた。

 3歳で柔道を始めたが、井上のように父親のスパルタ教育で育ったわけではない。小学校時代にはサッカーにも熱中。ボールを扱った器用な足が必殺技を生むベースになっている。恩師の斉藤・日本男子監督は「普通のスポーツ大好き少年が才能を開花させ、頂点に立った」という言い方をする。

 とはいえ、ここ数年の急成長は同じクラスに君臨する井上の存在が大きい。鈴木も「康生さんがいなければ今の自分はなかった」と言う。斉藤監督が、井上の恩師である山下・男子強化部長に刺激され、強くなったのと同じだ。

 世界最強を争うこの階級の勝利は、日本では別格視される。4年前のシドニーで、篠原が主審の不可解な判定で敗れた不満は今も日本でくすぶる。その篠原を下したドイエ(フランス)も「最重量級で勝つことは、柔道の起源に出会うこと」と表現している。

 日本にとって最重量級の金は1988年ソウル五輪で斉藤監督が手にしたのが最後。16年の時を経て、そのまな弟子が「本家」の窮地を救った。

共同

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