【柔道】ミセスYAWARAは“ピンク応援団”背にいざ出陣
ミセスYAWARAの出陣だ。柔道女子48キロ級の谷亮子(28)=トヨタ自動車=が14日、日本の女子では初の五輪連覇をかけてアテネの舞台に立つ。初戦は地元ギリシャ選手と対戦するが、ピンクで統一された約350人の大応援団がバックアップ。左足首のけがも驚異の回復力で克服した女王が、近代五輪発祥の地で21世紀の神話を創る。〔写真:連覇をめざす谷。左足首のけがも、寝技なら気にならない〕
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己を信じてやるだけだ。4度目の五輪、連覇を目指すアテネ、ミセスとして初めて臨む晴れ舞台。すべてを力に変えて、谷が象牙色の畳に立つ。
「やることはやってきた。その成果を十分に発揮したい。相手がどうというより、一試合一試合、自分の力を出すだけです」
アテネ市に隣接するビロナス市営体育館での最終調整。約1時間半の練習を終えた女王は晴れやかな表情で語った。前日12日の組み合わせ抽選で初戦の相手は地元ギリシャのカラヤノプルーに決まった。ともに世界選手権2位の実績があるフレデリク・ジョシネ(フランス)とリ・キョンオク(北朝鮮)らライバル勢は別ブロック。決勝までラクに行ける組み合わせに恵まれた。が、誰と対戦しようと気持ちはいつも変わらない。
悲願の金メダルを獲得したシドニーで表彰台の真ん中に立った瞬間に決めた4年後の連覇。昨年12月にプロ野球オリックスの谷佳知外野手(31)と結婚し、田村亮子から谷亮子に名前が変わっても、「あのときの気持ちを持ち続けてこられたことがうれしい」と前だけを見つめて走ってきた。
だから直前のけがも乗り越えられた。先月12日の練習中に左足首を負傷。左足腓骨(ひこつ)腱筋損傷と診断され、本格的な練習再開まで約3週間を要した。11日にアテネ入りした主治医の順大病院の桜庭景植医師(52)はこの日、実は患部付近のじん帯2本が断裂していたことを告白。「選手生命を左右するけがではないが、本来なら最低6週間は休養するケースだった」と明かした。
そんな悪夢もパワーに変えた。「3週間は辛いとは思わなかった。より集中できたし、柔道をやりたいという欲求がまた強くなった」。アテネ入りしてからは乱取りもこなせるまでに回復。究極のプラス志向で、また一つ確実に強くなった。
当日の試合会場には約350人の大応援が駆けつける。谷自身がデザインしたイラスト入りの法被、メガホン、タオルの3点セットはピンクで統一。さらに夫をはじめ長嶋ジャパンのメンバー全員も駆けつける。「みなさんの期待に応えたい」。21世紀のアテネでYAWARAは自らが勝利の女神となる。
(臼杵孝志)
◆日本女子・吉村和郎監督 「全階級とも己を信じてやるしかない。(谷の)48キロ級は強豪が反対のブロックにいった。油断はできないが、感じとしてはいい」
★野村も万全で出陣
五輪3連覇を狙う男子60キロ級代表の野村忠宏(29)=ミキハウス=が万全の打ち上げだ。「やり残したことはあると思うけど、やれることはやったと自分の中では思っている」。
シドニー五輪後に現役引退も考えた天才柔道家の再挑戦。「3連覇は意識するけど、もう一度、世界一になりたい気持ちが強い」。昨年の大阪世界選手権でまさかの3位に終わった借りを返す。
国内大会の試合前日はパチンコ&パチスロで精神統一するのが野村流。だが、選手村にはさすがにパチンコ店はない。「本でも読みます。たぶん、眠れないと思いますから」。欲求不満は本番の畳の上で解消する。
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