「ニッポン復活」金量産!共通点はジュニア育成
アテネ五輪で日本選手が驚異的な快進撃を続けている。大会第8日の20日までに獲得した金メダルは12個。早くも前回シドニー大会(金5個)の倍以上。「2けた金メダル」の大目標も前半戦でクリアした。メダル量産のキーワードは「ニッポン復活」。かつてのお家芸が元気を取り戻した背景には、低迷期に導入した「ジュニア育成」の成果が共通点としてある。
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▽「アテネに神風」
「復活ご三家」は水泳、柔道、体操。水泳は21日の競泳最終日を残して、金3、銀1、銅3。戦後、日本が参加した五輪では競泳が金ゼロの大会が8大会もあった。1大会での金3個は戦後初めて。「水泳ニッポン」と呼ばれた戦前の1932年ロサンゼルス大会(金5)、36年ベルリン大会(金4)以来のブレークだ。
競泳は今回、シドニー大会の銀2、銅2を上回るメダル計5個を目指した。その目標がささやかに思えるほどの大活躍。競泳チームの上野広治ヘッドコーチは「アテネの空に神風が吹いている」と驚きながら「選手が成長し、コーチが戦術をつくって効果的な指導をしている」と分析。総合力アップを強調した。
メダル量産の主役、柔道の金8個も驚異的だ。女子が五輪に採用された92年バルセロナ大会以降、男女合わせた柔道の金メダル数は92年2個、96年3個、2000年4個。世界で勝てなくなっていた「本家ニッポン」が、徐々に盛り返し今回、一気に史上最高の好成績を収めた。
全日本柔道連盟の南喜陽女子強化部長は「何と言っていいか分からないほどうれしい。結果を出せば、一層の強化費も引き出せ、もっと強くなれる」と4年後の北京五輪への手応えも示した。
▽ジュニア期の経験
28年ぶりに男子団体総合を制した「体操ニッポン」復活も劇的だった。優勝の原動力は冨田洋之ら、街の体操クラブで育った元ジュニア選手だ。
かつて同種目で五輪5連覇を達成した体操日本男子の黄金時代は、大学や企業に支えられていた。大学スポーツが頭打ちとなり、不況で企業スポーツも衰退。地域スポーツクラブがまだ定着していない弱点を、民間の体操クラブが補ってきた。日本の塚原光男チームリーダーは、アテネでの快挙を「日本にも(ジュニアを育てる)専門クラブが育ち、全国に普及した結果だ」と解説した。
ジュニア重視は競泳、柔道にも共通している。日本水泳連盟の野口智博競泳委員は「中学、高校のころから海外での短水路大会などで、外国勢と競り合いを経験してきた選手ばかり。勝つ喜びだけでなく、負けた悔しさもばねにしている」。
低迷期の日本の競泳選手は「競り合ったら負け」が代名詞。しかし上野コーチは「勝つしぶとさが出てきた」と評価した。男子平泳ぎ2冠の北島康介や、女子自由形で歴史的な金メダルを獲得した柴田亜衣は、競り合いで勝負強さを発揮した。
柔道も山下泰裕・現男子強化部長が、92年に日本男子監督に就任後、ジュニア世代からの海外派遣を推進した。同部長は「ジュニアも代表と同様に国際経験を積ませた。今回の好成績がその成果ならうれしい」。柔道8個目の金をつかんだ鈴木桂治は、アテネでも「手の内を知っている選手ばかり。子どものころから対戦してきた選手も多い」とジュニア期からの経験も勝因に挙げた。(共同)
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