【第98号】高橋尚子−国民的ランナー堂々の五輪最高
(00年シドニー・陸上・女子マラソン)
★サングラス投げ捨ててスパート
Qちゃんの快挙に日本中が感動の嵐に包まれた。
大会の華、女子マラソン。独特のピッチ走法で28歳の高橋がシドニーのコースを駆け抜ける。スタートから集団をひっぱり、27キロ過ぎではシモン(ルーマニア)とほぼマッチレース。37キロ過ぎサングラスをさっと投げ捨てるのを合図にしたようにスパート。2時間23分14秒の五輪最高記録でゴールテープを切ると、満面の笑みが広がった。
陸上戦後初、そして女子では史上初の金メダル。涙にくれる関係者をよそに、高橋は真っ先に指導する小出義雄監督を探した。
中距離選手だった県岐阜商、大阪学院大時代はまったくの無名。押しかけ弟子のように、有森裕子、鈴木博美らを育てた小出監督の門をたたいた。明るい笑顔の陰に隠された負けず嫌いの性格と、抜群の心肺能力で高地トレーニングに耐え、名伯楽の指導でめきめき力をつけた。
国民栄誉賞にも輝いた国民的ランナーは、翌年のベルリン五輪では史上初めて20分の壁を破る当時の世界最高記録を樹立。史上初の連覇に期待がかかったが、選考会の東京国際で2位に敗れたのが響き、アテネ五輪出場はならなかった。
〔写真:2000年シドニー大会、陸上女子マラソンで優勝した高橋尚子(共同)〕
|