【第95号】野村忠宏−軽量級初の五輪連覇
(00年シドニー・柔道・男子60キロ級)
★決勝はわずか14秒で一本勝ち
田村亮子の金の余韻が残る柔道会場で、歴史に残る快挙が生まれた。
25歳の野村は、決勝で鄭富競(韓国)から隅落としで一本勝ち。タイムは36秒で決めた田村よりさらに短い開始わずか14秒。男の意地をみせつけて、96年アトランタ大会に続く連覇達成だ。
日本柔道での五輪連覇は84年ロス、88年ソウルの斉藤仁以来2人目、軽量級では史上初の快挙だった。
優勢勝ちだった準決勝を除き残る4試合はすべて一本で仕留める見事な勝利だった。
叔父は72年ミュンヘン五輪金メダリストの豊和さん。21歳で叔父と肩を並べた天才にとって、この4年間はいかにモチベーションを維持するかの闘いだった。あまりにも目標を早く達成したがゆえに精彩を欠き、99年嘉納杯では左ひざを負傷。練習を休んだ影響で左太ももは4センチ細くなり、親指だけで立って筋肉をつけるリハビリを繰り返した。単調な生活に「誰かにのぞかれている」と両親に訴え、引っ越しするほど追い詰められた。
どん底から見事にはい上がっての金メダル。シドニー後は思いきって競技を休み、01年に結婚、サンフランシスコ留学。フレッシュな気持ちを取り戻し、アテネで前人未到の3連覇に挑む。
〔写真:2000年シドニー大会、男子柔道60キロ級で金メダルを獲得した野村忠宏(AP)〕
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