【第93号】野村忠宏−21歳、柔道一家のホープが快挙
(96年アトランタ・柔道・男子60キロ級)
★サラブレッドの真価みせつける
一家3代に脈々と流れる柔道家の血。今大会 柔道男子最年少、21歳の野村が、サラブレッドの真価をみせつけた。
3回戦で前年の世界王者オジェギン(ロシア)から終了間際に技ありを奪い、波にのると準決勝は一本勝ち。決勝では、ジョビナッツォ(イタリア)に先に有効を奪われたものの、払い腰で追いつき、4分33秒、背負い投げで見事一本。堂々の金メダルだった。
祖父は地元・奈良で道場を開く柔道師範。父・基次さんは天理高柔道部監督としてロサンゼルス金の細川伸二ら名選手を育てた。そして叔父は72年ミュンヘン五輪金の豊和さん。物心ついたときから柔道とともに育ってきた。
高校時代はこれといった成績は残せなかったが、天理大に進学してから頭角を現し、94年の全日本学生体重別で優勝。五輪選考会で元世界王者の園田隆二(警視庁)を破り代表に選ばれた。
1メートル63の小柄で、国際的にはまだ無名。日本を出発する際には、代表と気づかないカメラマンに突き飛ばされるという屈辱も味わった。大会に入ってからも、女子の田村亮子と同じ競技日とあって注目度は薄かったが、黙々と調整。実力で世間をあっと言わせた。
〔写真:1996年アトランタ大会、柔道男子60キロ級でジョビナッツォに一本勝ちし金メダルを獲得した野村忠宏〕
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