【第87号】斉藤仁−日本柔道初、五輪連覇の金字塔
(88年ソウル・柔道・95キロ超級)
★ひざの爆弾抱えたままで快挙
不可解な判定に泣き続けた柔道で、最後の最後に、27歳の斉藤が大仕事をやってのけた。1メートル94、120キロの巨漢ストール(東ドイツ)との決勝。ポイントこそなかったが、逃げ回る相手を終始攻め続け優勢勝ち。ロサンゼルス五輪に続く連覇で、今大会柔道初の金メダルを獲得した。
不世出の柔道家、山下泰裕と名勝負を繰り広げ、世界選手権、ロス五輪で金メダルを獲得。山下引退後、いよいよ斉藤時代到来、と思われたところから斉藤の苦闘が始まった。
ロス翌年の世界選手権決勝、趙容徹(韓国)のワキ固めで左ひじを脱臼。さらに右ひざの半月板とじん帯も痛めた。練習もまともにできぬ日々。ようやく復活なったのは、五輪本番まで140日余に迫った全日本選手権。斉藤不在の間に台頭した正木に優勢勝ちし、“遅過ぎる”初優勝。140キロの巨漢はポロポロと大粒の涙をこぼした。そして迎えた五輪本番。ひざの爆弾を抱えたまま、準決勝では趙に雪辱。表彰台で再び涙にくれた。
五輪の連覇は柔道では日本選手初。アテネ五輪では日本男子監督として、金量産を狙っている。
〔写真:1988年ソウル大会、柔道・95キロ超級で金メダルを獲得した斉藤仁〕
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