【第80号】松岡義之−師弟の夢を叶える金メダル

(84年ロサンゼルス・柔道・65キロ級)

★藤猪省三直伝の背負い投げがさえる

松岡義之 柔道2日目。松岡が師弟の夢を叶える金メダルをかちとった。前半は硬さもみえた27歳の松岡だったが、3回戦からは、師匠、藤猪省三コーチ譲りの背負い投げがさえる。決勝では、黄正五(韓国)を相手に、豪快な背負いで有効。見事優勢勝ちで初日の細川に続く軽量級2階級制覇を達成した。

 兵庫・福崎高、京産大を通じタイトルとはまったく無縁。だが、京産大で教員をつとめる藤猪コーチだけは松岡の素質を見抜いていた。同コーチは71年から79年まで世界選手権中量級で4連覇。ところが、金メダルを絶対視されていたモントリオール大会では選考会でベテランの園田勇に敗れ、続くモスクワは日本の不参加で、五輪にはついに出場できずに終わった。

 相手の懐に飛び込み、額をたたみにこするほど体を折り曲げて投げる背負いは藤猪の必殺技。不器用な松岡に、何千本と打ち込みを続けさせた。なかなか結果の出ないなか、自費参加した82年のハンガリー、チェコでの国際大会で見事優勝して開花。藤猪流の背負いをマスターしての快挙達成だった。

写真:1984年ロサンゼルス大会、柔道65キロ級で優勝した松岡義之


著作権、リンク、個人情報について