【第78号】具志堅幸司−因縁の種目で“リベンジ”

(84年ロサンゼルス・体操・男子種目別・つり輪)

★不屈の闘志でけが乗り越えた

具志堅幸司 男子個人総合を制した具志堅が、つり輪で2つ目の金を獲得した。持ち点3位から臨んだ具志堅は、同じく3位だった李寧(中国)とともに9・95の完ぺき演技。仲良く金を分け合った。

 つり輪は具志堅にとって因縁の種目。日体大3年のとき、月面宙返り下りを練習中に、左足首骨折とじん帯損傷の大けがをした。再起不能とまで言われるなかで、手や腕は鍛えられると、病院に鉄アレイを持ち込み、トレーニングを再開。不屈の闘志の原点になった。

 子供時代は近所でも有名なやんちゃ。小学校6年のとき、メキシコ五輪での加藤沢男の床運動をテレビで見て、「あんなんトリックや」と叫んだのが転機になった。母親のつる子さんに、「同じ人間なんだから、頑張ればできる」と言われ、地元の名門、大阪・清風高を目指す。試験が難しいと言われると、塾へ行く月謝を稼ぐために毎朝5時に起きて牛乳配達で体も鍛えた。

 期待されながら、相次ぐけがに悩まされるなか、つる子さんの勧めで、名前を幸二から幸司に改名。岩をも通す一念だった。

写真:男子個人総合で、金メダルの具志堅幸司のつり輪の演技


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