【第66号】加藤沢男−最後の金は無心で演技
(76年モントリオール・体操・男子種目別・平行棒)
★「20世紀を代表する25選手」にも選ばれた
日本の五輪史上最多8個の金メダル。3大会に出場した加藤の最後の金となったのがこの平行棒だった。
29歳。五輪最後となった演技で、加藤は不思議なほど無心になっていたという。倒立ひねりなどキレのある演技が続き、最後は「後方抱え込み2回宙返り」でフィニッシュ。得点はこの日の最高となる9・90で、この種目で見事な連覇を飾った。
種目別の2日前に行われた男子個人総合。笠松茂を虫垂炎で欠き、再び日本のエースとなった加藤は、前人未到の個人総合3連覇をかけてソ連のエース、アンドリアノフに挑んだ。過去2大会、無心で勝ち抜いてきた加藤は、「初めて欲が出て狙おうと思った」という。結果は、大差をつけられての銀。東京の遠藤幸雄以来、12年間守られてきた体操世界一の座はついに日本を離れた。
4年周期で五輪に強いといわれた男は、3大会で通算金8銀3銅1。99年に国際スポーツ記者協会が選ぶ「20世紀を代表する25選手」に日本からただ1人選ばれ、00年に国際体操殿堂入り。シドニー五輪選手村にも、アジアからただ1人、「サワオ・カトウ通り」が作られた。
〔写真:モントリオール五輪の体操男子種目別の平行棒で優勝した加藤の演技。加藤はこれが五輪3大会で自身8個目の金メダルとなった〕
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