【第65号】日本−「7番目の男」がV5の立役者に
(76年モントリオール・体操・男子団体総合)
★五十嵐久人、最後に大技決めた
男子団体の代表選手は7人だが、出場するのは6人(上位5人の得点で競う)で、1人は補欠。大会が始まれば出番はない。ところがその「7番目の選手」が日本の5連覇の立役者になった。
その男の名は五十嵐久人、25歳。エース笠松茂が大会直前に虫垂炎にかかり欠場。五十嵐に出番が回ってきた。
五十嵐は最終選考会で6位の藤本俊26歳に0・05差の7位。「次のモスクワもある」と自分に言いきかせて臨んでいた。
他のメンバーは加藤沢男29歳、監物永三28歳、塚原光男28歳、梶山広司23歳。さすがの王国に高齢化の影が落ち、ソ連の追い上げに、日本は大ピンチに陥った。
ソ連にリードされて迎えた自由演技。3種目目のつり輪で、藤本が右足を痛め途中棄権し、1人のミスも許されない状況。そんななかで、五十嵐は最終種目鉄棒で、屈伸と伸身後方2回宙返りのウルトラCを決め9・85の高得点をマーク。見事大逆転の金メダルにつなげた。
日大3年の全日本学生で、後方伸身宙返り3回ひねりおりという超ウルトラCを完成させながら、左手首を骨折。アキレス腱切断など、けがに泣き続けた男に、女神が最後にほほ笑んだ。
〔写真:1976年モントリオール大会体操男子団体総合で5連覇を果たした日本チーム(共同)〕
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