【第62号】野村豊和−これぞニッポン柔道! 全試合一本勝ち
(72年ミュンヘン・柔道・軽中量級=70キロ以下)
★決勝はわずか27秒でケリ
これがニッポン柔道だ! 23歳の野村が小気味のいい柔道で5試合すべてに一本勝ち。西ドイツのファンに、本家の力をみせつけた。
強いひきつけから相手を投げ飛ばす攻撃柔道。1回戦が57秒、2回戦が3分12秒、3回戦は3分47秒でけりをつけ、迎えた準決勝は、強豪ノビコフ(ソ連)との対戦。得意の背負い投げで何度も投げ捨てる。ジャッジの不手際でなかなか一本にならず、観客席からブーイングも飛んだが、技あり2つを奪って3分39秒、合わせ技1本。圧巻はザイコウスキー(ポーランド)との決勝で、開始わずか27秒。右から入るとみせかけ、瞬時に左に切り替えての背負い投げ。柔道の神髄に、会場は割れんばかりの歓声に包まれた。
天理高、天理大とつねに一線で活躍したが、69年、71年の世界選手権では日本選手に敗れ、あと一歩で世界一に届かなかった。大学卒業後、クラスを軽量級から軽中量級に上げて才能が開花した。
アテネ五輪男子60キロ級で史上初の3連覇を狙う野村忠宏はおい。切れ味鋭い柔道はしっかりと受け継がれている。
〔写真:1972年ミュンヘン大会、柔道軽中量級で優勝した野村豊和〕
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