【第57号】青木まゆみ−「金太郎」が前畑以来の快挙
(72年ミュンヘン・競泳・女子100メートルバタフライ)
★得意の2ビート泳法で世界新
水泳ニッポン2つ目の金は、戦前のベルリン五輪・前畑秀子(女子200メートル平泳ぎ)以来36年ぶりとなる女子2個目の金メダル。青木の快泳に日本中がわきにわいた。
19歳の青木は、大会直前の日本選手権で1分3秒9の世界記録をマークしたばかり。だが、ギャルマチ(ハンガリー)が準決勝で世界タイをマーク。他にもバイエル(東ドイツ)ら強豪がそろい、決勝は激戦が予想されていた。
青木は加藤浩時コーチに授けられた作戦どおり、前半を抑え、50メートルを7番手でターン。ここから得意の2ビート泳法(腕がひとかきする間に2回キックする)で猛追。一気に差し切ったとき、タイムは1分3秒3の世界新記録を示していた。
発達した上半身に、どんぐりまなこ。おおらかな性格もあいまって、「金太郎」の愛称で親しまれた。
中学3年のとき、加藤コーチの勧めで、郷里・熊本を離れ、大阪に水泳留学。毎朝5時起床で一日8時間、時にはどなられ、はたかれることもある厳しい指導に耐え、五輪を目指してきた。
2ビート泳法は消耗の激しさから、男子にしかできないと言われた泳法。類いまれな青木の資質と、流した涙で勝ち取った金だった。
〔写真:1972年ミュンヘン大会、水泳女子百・バタフライで金メダルを獲得した青木まゆみ〕
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