【第49号】中山彰規−跳馬の不調跳ね返す

(68年メキシコ・体操・男子種目別・平行棒)

★強すぎる…地元観客からブーイングも

中山彰規 ひと呼んで種目別のスペシャリスト。25歳の中山彰規(あきのり)が、たて続けに3本の日の丸を表彰台の中央に掲げた。

 閉会式前日に行われた男子種目別。最初の床で表彰台独占(金は加藤沢男)、3種目目のつり輪で中山が金を獲得し、迎えた4種目目、跳馬の練習で日本をアクシデントが襲った。

 練習中に、個人総合優勝者の加藤沢が腰を痛め、棄権を余儀なくされたのだ。これで、メダルの期待は、中山の一身にかかることになった。

 アップもほとんどできないまま、補欠から繰り上がり出場した跳馬は2本とも不本意な内容で7位。このとき中山は、「こんな成績では、メダルを狙っていたサワオに申し訳ない」と心に誓ったという。

 そして迎えた5種目目の平行棒。9・775の持ち点(団体の規定+自由の合計×1/2)の首位から9・70。ボローニン(ソ連)を抑えてこの日2個目の金を獲得した。余りの日本の強さに、すっかりソ連びいきになったメキシコのファンからはブーイングも飛んだが、中山はポーカーフェースをわずかに緩めて、会心の笑みを浮かべた。

写真:1968年メキシコオリンピック 平行棒の中山彰規


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