【第42号】中田茂男−お家芸レスリングの先陣切る
(68年メキシコ・レスリング・フリースタイル・フライ級=52キロ以下)
★最大の敵「減量」も乗り越えた
日本のお家芸レスリングが、またも1日で金3個の快挙をなしとげた。先陣を切ったのはフライ級の22歳、中田。序盤は苦しんだが、徐々に調子を挙げ、フリー最終日の10月20日には、午前の5回戦でフォール勝ちすると、午後の決勝リーグで、最大のライバル・サンダース(米国)を終始攻め続け判定勝ち。最後のスクバタル(モンゴル)戦はフォール勝ちで、金メダルを決めた。
前年の世界選手権覇者で、五輪代表決定戦では東京金の吉田義勝を破った中田にとって、最大の敵は「減量」だった。普段の体重は60キロ。ここから8キロを落とし、なおかつ4日間の競技中維持しなければならない。1日の食事は米、肉などの入った特製スープと、ハチミツ入りの紅茶だけ。海抜2240メートルの高地とも相まって、最終戦を戦っている途中、目の前が暗くなり、最後は見えなくなったという。
北海道・旭川六合中時代、同級生に「おれはオリンピックで必ず金メダルを取る」と宣言。名門、旭川南高から中大に進み、夢を実現させた。しかし、ミュンヘン五輪代表選考会では減量に失敗。計量器に足をかけることなく棄権し、連覇の夢はついえた。
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