【第36号】早田卓次−本命・遠藤の失敗埋める殊勲
(64年東京・体操・男子種目別・つり輪)
★浜を逆立ちで歩き回った腕っぷし
団体・個人総合(遠藤幸雄)の2冠達成の勢いをかって臨んだ男子種目別1日目。床運動、あん馬と惜敗続きの日本に、つり輪金をもたらしたのは、チーム最年少24歳の早田だった。
大本命とみられた遠藤が、着地で両手を着くまさかの失敗。日本の期待を一心に集めた早田は、十字懸垂、上水平を美しく決め、着地もぴたりと決まって9・750。2位メニケリ(イタリア)に0・05の差をつけた。
10月10日、東京五輪の開会式に24歳の誕生日を迎えたばかり。和歌山・田辺の網元の家の出で、小学校時代から魚の積み降ろしで腕力を鍛え、父の破産後は、一緒に漁にも出た。小さいころから、逆立ちが得意で、浜を手で“歩き回って”いたという。
田辺高から進んだ日大に進んで、助手として赴任してきた遠藤と出会い、急成長した。7月に亡くなった父・長之助さんに捧げる金メダルでもあった。
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