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【第18号】笹原正三−対戦相手も震える恐怖の「また裂き」
(56年メルボルン・レスリング・フリースタイル・フェザー級=62キロ)
ササハラズ・レッグシザーズ(笹原式また裂き)。笹原の名前を聞くだけで、相手選手は震え上がった。
大学4年で全日本選手権と全日本学生に優勝してから負け知らずの200連勝。27歳で出場したこの大会では、必勝の期待の重さに「前夜は一睡もできなかった」というほど緊張したが、試合になれば冷静沈着。6戦全勝(1試合不戦勝)で悲願の金を達成した。
代名詞となったまた裂きは、五輪の2年前の世界選手権で、トルコ選手にかけられて威力を知り、独自に改良を重ねて自分のものにした。てこの原理で相手の足をしぼりあげ、我慢すれば股関節脱臼につながる。「脱臼させては、使用禁止にされる。かげんに注意した」という文字どおりの必殺技だった。
山形商時代はレスリングとは無縁。剣道に親しみ、卒業後は駐留米軍で事務の仕事をしていた。柔道が禁止のため中大レスリング部に入っていた同商の先輩に誘われたのがきっかけで、「海外へ行けるかも」と思い、家出同然に上京。中大に入学したことが無敵の金メダリスト誕生につながった。
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