【第10号】田島直人−同僚のひとことで生まれた驚異の世界新記録

(36年ベルリン・陸上・三段跳び)

田島直人

 日本陸上史に輝く三段跳び3連覇。田島直人の快挙は、アムステルダム大会の金メダリスト、織田幹雄のひとことで生まれた。

 24歳の田島は走り幅跳びが本職。この大会でも銅メダルに輝いている。前回のロサンゼルス大会当時のチームメートで、跳躍力に目をつけていた織田の「ここ一番に強いから」という強力な推薦で、日本3番目の選手(ほかの2人は大島鎌吉、原田正夫)として出場。1回目で15メートル76の世界新を跳んで、トップに立ち、決勝に入った4回目でなんと人類史上初の16メートルをマークして、優勝した。この世界新は以降15年間も破られない大記録だった。原田も銀、大島は6位。

 空前の快挙に、詩人の西条八十は「リンデンの梢 静かにゆれて 今日のベルリンは 日本晴れだ」とうたった。

 90年、78歳で没。京都帝大在学時代に知り合った妻・麻さんもロサンゼルス五輪陸上女子400メートルリレーで5位の陸上選手。五輪選手同士の結婚第1号でもあった。


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