大久保先制で火がついた、高松&田中達も続きFW大爆発

大久保 サッカーのキリンチャレンジカップ(30日、国立)。日本男子代表・FW大久保嘉人(22)=C大阪=が前半36分、321分ぶりに相手ゴールをこじ開けた。この一発から平山、高松、田中達とFW陣全員得点の4得点。『仮想パラグアイ』と位置づけた一戦でゴールラッシュが生まれ、山本昌邦監督(46)にも自信がよみがえった。〔写真:FW大久保が前半36分に先制ゴール。五輪代表にとって実に321分ぶりの得点だった=撮影・江角和宏

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 アテネ出発を前に陥った『決定力不足』。36年前の夢のその先を目指すチームにとって、致命的ともいえる最重要課題を一夜でぬぐい去った。

 「先制点が大きかった。それでわれわれのスタイルができた」。7月に入ってから3試合連続無得点…。4万5000の大観衆が見守る中、山本ジャパンが一気にメダルへの期待を大きく膨らませた。指揮官をうならせたのはやはりこの男、エースFW大久保だ。

 前半36分、柔と剛がみごとに結実した。ペナルティーエリア左サイド。逆サイドからMF松井が出した浮き球にトップスピードで反応した。右足アウトサイドでボールコントロール。そして左足を一閃した。山本監督が「南米選手権でもほとんど失点していないし、南米屈指と認識している」と評価したベネズエラGKアンジェルッチの左脇を、強烈なシュートが射抜いた。

 大久保、そしてチームにとって6月1日のマリ戦以来、実に321分ぶりのゴール。だが大久保は自身のゴールについては「よかったですよ」とそっけない。

 もっと大事なことがある。「FW全員が点を取れてよかった。いい形でドイツ(合宿)へ行ける」−。続いた平山、そして交代で入った高松、田中達がゴール。初戦で当たるパラグアイを想定したベネズエラA代表を打ちのめし、自信を取り戻したFW陣の奮起を素直に喜んだ。

 試合後のセレモニー。小泉首相ら政府の要人らの前で、指揮官は力強く宣言した。

 「日本サッカーが36年間追いつづけてきた夢の先を、さらに目指して頑張ってきたい」

 大きな拍手が18人の選手らを包み込む。表彰台では満足しない。銅メダルだった68年メキシコ五輪よりもさらに輝く色のメダルを見据えて、青い戦士たちは8月2日に日本を出発する。

岡田薫士

★高松「アテネにつながる」、田中達「得点意識していた」

高松
田中達
 先発メンバーから外れたFW高松(大分)とFW田中(浦和)が後半から途中出場し、意地を見せた。まずは高松が後半31分、田中からのセンタリングにダイビングヘッド弾。3月5日の五輪最終予選UAE戦以来、11試合ぶりの得点に「FW全員がゴールできたのは必ずアテネにつながる」と笑顔。後半44分には田中がドリブルから右足で4点目を奪った。「得点は意識していた。(もっと)決めるチャンスはあったので、課題が残る」と本番を前に気を引き締め直していた。

写真右:後半31分には高松がダイビングヘッドで3点目=撮影・江角和宏。同下:この男も続いた。後半44分には田中達も決めて、FW陣の全員得点が完結した=撮影・鈴木健児

★データBOX

山本ジャパンは02年8月の初陣から、通算成績は22勝11分け8敗になった。五輪切符獲得後の強化試合は2勝4分け2敗。4月24日のギリシャ選抜戦(○2−1)以来、97日ぶりの白星

山本ジャパンがワースト更新中だった無得点試合を「3」でストップ。前半36分のFW大久保のゴールは、6月1日のマリ戦(△1−1)の後半35分、やはり大久保が決めて以来、321分ぶりの得点

山本ジャパンの1試合4得点は、五輪切符獲得後の強化試合8試合では最多。最近では3月3日の五輪アジア最終予選レバノン戦に○4−0以来のゴールラッシュ

山本ジャパン発足以来、同世代ではなくA代表チームと対戦するのは7試合目。これまではヨルダンA代表に△2−2、パレスチナA代表に○2−1、シンガポールA代表に○1−0、香港A代表に○1−0、カタールA代表に○1−0、ロシアA代表に△1−1だった。「無敗」は続き通算5勝2分け

  ◆先制点、2点目をアシストしたMF松井(京都) 「いい形で締めくくれた。アシストは、最初から裏を狙っていた。結果を残せるように、ドイツで調整します」

★小泉首相もすっかりご満悦

 小泉純一郎首相が男子代表戦のハーフタイムに会場入りし、後半を観戦。試合後は選手ひとりひとりと握手を交わし、「選手の五輪という夢にかける熱い思いが伝わってきました。われわれも熱い声援を送りましょう」とサポーターに呼びかけた。同じく会場で声援を送った石川梨華、後藤真希らモーニング娘。のメンバーとも談笑するなど、すっかりご満悦だった。


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