平山173日ぶりの怪物ゴール! 快勝日本、アテネで翔べ
サッカーのキリンチャレンジカップ(30日、国立)。アテネ五輪への壮行試合で、日本男子五輪代表がベネズエラA代表に4−0で圧勝した。待ちに待った97日ぶりの白星をつかんだ一方で、何よりも国立を揺らしたのが後半14分のFW平山相太(19)=筑波大=の一発だった。代表デビューした2月8日のイラン戦以来、実に173日ぶりの怪物ゴール。36年ぶりのメダル獲得へ。日本列島がこの一発を待っていた!〔写真:ついに入った、やっと決まった! 日本列島が待っていた一撃。FW平山が後半14分、ヘッドで173日ぶりの代表ゴールをたたき込んだ=撮影・江角和宏〕
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◇
| ▼国立 |
| 日本五輪代表 |
4 |
1−0
3−0 |
0 |
ベネズエラ代表 |
| 【得点者】▼日=大久保、平山、高松、田中達 |
|
フーッ…。それは小さなため息だった。青い津波と化した国立は「ヒラヤマ! ヒラヤマ!!」の大歓声。その真ん中にいる19歳の大学生の笑顔ははじけ、直後、両肩に縛られた重荷をそっとほどいた。
「やっと、入ったなあと…。うれしかったです」。山本ジャパンの今季初戦となった2月8日のイラン戦で決めたヘッド以来、実に173日ぶりの怪物ゴール。五輪本番前の国内ラストゲームでもあるベネズエラA代表戦。待ちに待ったこの男の一発が生まれた。
1−0で迎えた後半14分だった。左サイドからのMF松井のクロスに飛び込む。吸い付くように体を寄せてきた相手DFをものともせずに高く舞った。伝家の宝刀ヘディングシュート。思いをのせたボールは鋭くネットに突き刺さった。
「173日」の時は国見高3年3組の18歳を19歳の筑波大生に変えた。頭を悩ます難しい講義。「ねえ、見て見て、平山君よ!」。構内や学食で受ける女子学生からのくすぐったい視線。ヒップホップのダンスが踊れる体育の授業では、自然と白い歯がこぼれた。
のどかなキャンパスライフの一方で、日本サッカー界の至宝として背負った十字架は日に日に重くなった。高校選抜、U−19、大学リーグ…。八面六臂(ろっぴ)の活躍をみせる一方で、“本業”の山本ジャパンではスランプに陥った。打っても打ってもゴールは遠い。それでも山本監督はイラン戦以降の16試合中、10試合の先発リストに平山の名を書いた。
「監督に感謝していました。もっと結果が出せればよかった」。疲労とプレッシャー。風邪でダウンしたこともある。そして誓った。最終登録メンバーが決まった7月16日の夜、受話器の向こうにいる北九州市の両親に約束した。
「入れんかった人もおる。ここからはもう、どんなに体調が悪くても辛くても、絶対に弱音は吐かん」。石垣合宿をともに過ごしたFW高原(ハンブルガーSV)の名はなく、テレビで見た涙ぐむ山本監督の姿が頭から離れなかった。自分がやらなくちゃ…。大人への階段をまた一歩上った瞬間だった。
出場したFW4人全員がゴールを奪い、4−0勝利を収めた。平山はいたずらっぽく予感を口にした。
「アテネではいい結果が待ってそうな感じ」
目の前に広がる憧れの世界舞台。19歳2カ月で臨むアテネでは、DF松田(横浜M)の19歳4カ月の日本五輪男子サッカーの最年少出場記録を塗り替える。少し軽くなった両肩に、希望と情熱を積み直して平山は進む。
■データBOX
平山のゴールはU−23日本代表の今季初戦、自身の代表デビューとなった2月8日のイラン戦以来、実に173日ぶりとなった。時間に換算すると、自分が出場した14試合に限れば「901分ぶり」。欠場した2試合も含めてチームのトータルでみると、16試合で何と「1479分ぶり」となる。
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| 五輪代表入り以降の平山の成績 |
| 月日 |
スコア |
相手 |
出場 |
得 |
| 2・8 |
△1−1 |
イラン |
◎90 |
1 |
| 11 |
△1−1 |
ロシア |
▲18 |
0 |
| 21 |
○2−0 |
韓国 |
◎90 |
0 |
| 3・1 |
△0−0 |
☆バーレーン |
◎90 |
0 |
| 3 |
○4−0 |
☆レバノン |
▽45 |
0 |
| 5 |
○2−0 |
☆UAE |
▽45 |
0 |
| 14 |
●0−1 |
☆バーレーン |
− |
− |
| 16 |
○2−1 |
☆レバノン |
◎90 |
0 |
| 18 |
○3−0 |
☆UAE |
◎90 |
0 |
| 4・21 |
△1−1 |
ギリシャ |
▽45 |
0 |
| 24 |
○2−1 |
ギリシャ選抜 |
▽45 |
0 |
| 5・26 |
△1−1 |
トルコ選抜 |
▲34 |
0 |
| 6・1 |
△1−1 |
マリ |
− |
− |
| 7・14 |
●0−1 |
チュニジア |
▲45 |
0 |
| 21 |
△0−0 |
韓国 |
◎90 |
0 |
| 25 |
●0−1 |
豪州 |
▲45 |
0 |
| 30 |
○4−0 |
ベネズエラA |
▽70 |
1 |
| 【注】出場の◎はフル出場、▽は先発途中交代、▲は途中出場、数字は時間(分)。対戦相手の☆はアテネ五輪最終予選 |
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★来日中のバレンシア「非常に興味がある」
親善試合のために来日したスペイン1部・バレンシアが30日、大阪・豊中市のホテルで会見を開き、ハイメ・オルティ・ルイス会長が平山について「非常に興味がある。彼はよくサッカーを知っている。面白い選手」と強い興味を示した。
同会長は今後の交渉について「親善試合をするためにきた。具体的なレベルではない」としながらも、関係者によるとバレンシア側は北九州市内の平山の実家にすでに5度、入団要請のファクスを送り、年俸20万ユーロ(約2720万円)を提示しているという。
昨季リーグを制し、UEFA杯でも優勝したバレンシアは8月1日に新潟(新潟)、同4日に鹿島(国立)と対戦する。親善試合は二の次? この日の一発で、平山獲得へのボルテージが高まりそうだ。
★今後の日本五輪男子代表
ベネズエラA代表戦を終えて一時解散し、8月1日夜に再集合。2日に直前合宿地のドイツ・ニュルンベルクに出発する。6日には1FCニュルンベルクとの練習試合を行い、本番前の最終調整。8日にギリシャ・テッサロニキに移動。12日に同地でアテネ五輪1次リーグ・パラグアイ戦を迎える。
★ベネズエラ監督、素直に脱帽
ベネズエラ代表・パエスモンソン監督は、日本の五輪代表の実力を素直に認めた。「集団として非常にいい。五輪でもこのリズムで戦えば、いいところまでいくと思う」。ベネズエラはドイツW杯南米予選では、ウルグアイ、コロンビアを立て続けに破った“A級チーム”。南米屈指のGKアンジェルッチを擁しながらの完敗に脱帽の様子だ。ただ「中盤の選手に、ひらめきが欠けている」と日本への課題を置き土産とした。
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