“5番勝負”未勝利の五輪代表は、もはや「小野頼み」
これでメダルは大丈夫? サッカーのキリンチャレンジカップ(25日、長居)で男子日本五輪代表が、豪州五輪代表に0−1敗戦。本大会出場国との『プレ五輪5番勝負』を3分け2敗で終了した。しかも、3戦連続ノーゴール、約3カ月間も白星なしという惨状…。山本昌邦監督(46)は「小野が入れば変わってくる」と、8月初旬のドイツ合宿から合流するオーバーエージ選手のMF小野伸二(24)=フェイエノールト=に頼る心境を吐露した。〔写真左:プレ五輪5番勝負の最終章は黒星。しかも3戦連続無得点で山本監督も腕組みだ=撮影・梯孝春。同下:日本はFW大久保=右=が、FW高松=左=がゴール前で競り合うが…。ただの1点が遠かった=撮影・鈴木健児〕
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思わず仰いだ大阪・長居の空。遠く輝く星には分厚い雲がまとわりついていた。力尽きての0−1敗戦。重い足を引きずりスタンドに両手を挙げた選手の顔に、不安ばかりが浮かんでいた。
「ゴールを奪って勝ちきる!」。試合前のミーティングで山本監督のげきが飛んだ。4月21日のギリシャ五輪代表戦から続く本大会出場国との『5番勝負』。その最終章は初白星にこだわって挑んだ。しかし、結果は3分け2敗の完敗。96年アトランタでも、00年シドニーでも、出場国から1勝以上奪っている。その両方を知る山本監督自身が一番動揺していた。
試合後の会見では、当然のように修正点ばかりが口をついた。
(1)「ゴール前のフィニッシュの問題だ」。計15本のシュートは不発。MF石川を投入した後半37分からは、7選手を前線に送り総攻撃を仕掛けたが決定力を欠いた。3試合連続無得点の屈辱を喫した。
(2)「お互いどっちが(集中力が)キレるか、という戦いで、粘りよく勝ち抜くためのレベルアップが必要」。失点はミスが原因。DFラインの意思統一ができず連係ミスのスキをつかれた。
(3)「中盤の構成力がない」。山本ジャパンの“発動機”MF今野が左足付け根を負傷して一時離脱。松井は左足を痛め欠場した。フィールドプレーヤーは13人。代役のMF森崎、DF菊地は健闘したが、2人を勝利の切り札として頼るのは酷だった。
「小野が入ることによって、かなり中盤の構成は変わってくる。期待してます」。山本監督は思わず、あの男への期待感が口をついた。
8月2日のドイツ直前合宿から合流するエース。小野の“ぶっつけ本番”を防ぐため、山本監督は同合宿中に練習試合を行うことを熱望した。日本サッカー協会は急きょ、今季ブンデスリーガ1部に昇格した1FCニュルンベルクのユースとの試合を6日に組む方向で調整を開始した。
「最後の試合は何としても勝って、すっきりドイツに行きたい」と山本監督。30日にはベネズエラA代表戦。『仮想・パラグアイ』を組み伏せれば、『死のB組』を突破する可能性は大きく開けてくる。暗雲を吹き飛ばすゴールラッシュが、表彰台への希望の星を連れてくる。
★データBOX★
▼山本ジャパンは02年8月の初陣から、この日の豪州戦がちょうど40試合目。通算成績は21勝11分け8敗になった。最後の勝利は4月24日のギリシャ選抜戦(○2−1)で、これで約3カ月も白星がなし
▼山本ジャパンの無得点試合は7試合目(このうち、完封負けは5試合目)。現在、ノーゴールは7月14日のチュニジア戦、同21日の韓国戦と3戦連続で山本体制ワーストを更新中
★過去2大会はプレ五輪で弾み★
今回のアテネ組は五輪出場決定後、『プレ五輪5番勝負』を3分け2敗(最終予選後通算は1勝4分け2敗)で終えた。96年アトランタ組は五輪切符獲得後に3試合行ったが、すべて本大会出場国との対戦でチュニジアに2勝、ガーナに1敗した。00年シドニー組は3戦3勝のうち、本大会出場国との対戦はクウェートに1勝だった。その効果か、いずれも本大会1次リーグで2勝をマークした。ちなみに、『黄金世代』と呼ばれたシドニー組はメダルに手が届かなかったが、五輪最終予選前の強化試合2試合も含めると、実に17戦17勝で本大会に突入した。
★豪州の決勝点はオランダで小野知る男
豪州は後半34分、カウンター攻撃で右サイドを崩し、FWホールマンがクロスボールを押し込んで先制点を奪った。「ベンチスタートで今日は試合に出る予定じゃなかったんだが、うまく決められた」。オランダリーグのエクセルシオールでプレーする20歳。「シンジ(小野)のことはよく知っている。オーバーエージで入ると聞いているが、彼が入れば日本はもっとよくなるね」と余裕のコメントを残してスタジアムを後にした。
◆豪州代表・ファリナ監督 「前半はうまく守って、後半はカウンターで攻撃することができた。きょうの結果は重要ではない。(五輪への)準備段階だ」
★欧州選手権決勝主審が第4の審判
さきの欧州選手権決勝で主審を務めたマルクス・メルク氏(42)が、第4の審判員として試合をピッチ外から見守った。かつて、優勝したギリシャのレーハーゲル監督の担当歯科医であったことでも話題になった。今回、日本サッカー協会はアテネ五輪を前に、判定も世界レベルを求めて招へいした。同氏は、30日ベネズエラA代表戦(国立)でも引き続き審判を務める。
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