攻撃的3トップで臨むも、初の2戦連続無得点

平山は1本もシュートを打てず サッカー・日本五輪代表国際親善試合(21日、韓国・ソウル)完封したけど、完封された!サッカー日本五輪代表は韓国五輪代表に価値あるドロー。しかし、攻撃陣は今後に課題を残した。FW平山相太(19)=筑波大=を頂点とする『トライデント(三叉槍の意味)』の攻撃的3トップで臨んだが、山本ジャパン初陣の02年8月以来、初の2戦連続無得点試合となった。〔写真:平山は不発…。完封したけど、完封された。FW陣は決め手を欠いた

★1本もシュートを打てず

 ゴールは遠かった。試合終了の笛と同時に1本もシュートを打てなかった平山が遠くを見つめながら立ち尽くした。ノーゴール…。02年8月の山本ジャパン初陣以来、39試合で無得点試合は6試合。アジア最強韓国を完封した一方で、初の2試合連続無得点という不名誉な記録も生まれた。

 「入れなきゃいけない。五輪じゃなかったことを幸運に思って、次は決めたい」。試合後、FW田中達が深く反省した。前半18分のカウンター攻撃は、右サイドのFW大久保からのクロスボールを狙いすましてのヘディングシュート。これがわずかに左に外れた。この日の最大にして唯一の見せ場だった。

田中達也 アジア最終予選UAE戦(国立)で結成し、歓喜を呼び込んだ攻撃的3トップ『トライデント』−。韓国戦で現在の日本の力を図る意味からも、平山、田中達、大久保の3人が赤く染まったソウルのピッチに立った。「(DF陣とボランチに)前に当てろといった。前に当てないと攻撃は始まらない」。ハーフタイムのロッカーで、前線にボールがこないことから大久保がたまらず仲間に要求した。

 さらに後半41分、絶好の場面で平山のクロスボールがGKにキャッチされたシーンを振り返る。「(平山は)イージーなプレーをした。丁寧に最後までプレーしないといけない」と国見高の先輩・大久保はどこまでも厳しかった。

 16日に発表された18人の登録メンバー。山本監督が熱望したFW高原(ハンブルガーSV)の名前はなかった。同監督は「タレントは変わらない。あとは質を高めていくしかない」と18人に託した。その後の初戦。できることなら指揮官は、イキのいいFW陣の姿を見たかったはずだ。アテネ五輪では史上最年少出場の記録もかかる平山。25日の豪州五輪代表戦(長居ス)では、平山だけでなくFW陣の奮起をだれもが信じている。

★試合経過

 日本のキックオフで試合開始。ホームの大声援を背に韓国が猛攻を仕掛け、5分にはゴール前の混戦からFW崔兌旭がシュートを放ったが、GK曽ケ端が必死に防いだ。10分を過ぎると日本が落ち着きを取り戻し、14分には左CKからDF那須が強烈なヘディングシュート。惜しくもGKの正面をついたが、これで流れは日本に傾いた。

 日本は17分、自陣からカウンターを仕掛け、FW大久保がドリブルで右サイドを突破。ファーサイドに走り込んだFW田中達へ絶妙のクロスを通したが、ヘディングシュートはゴールポスト左にわずかに外れた。その後も日本が主導権を握り続け、放ったシュートは日本の4本に対して韓国は2本で前半を終えた。

 後半に入ると韓国が盛り返してきたが、日本も駒野、松井、石川と攻撃的な選手を次々と投入して応戦。闘莉王と大久保がイエローカードをもらうなどエキサイトする場面もあったが、守備陣が最後まで踏ん張り、オーバーエージのDF柳想鐵を加えてパワーを増した韓国を最後まで零封。0−0で引き分けた。

★闘莉王、アウエー韓国戦に闘志むきだし

 DF闘莉王(浦和)は初体験のアウエー韓国戦に闘志むきだし。前半10分、審判から装着品に関してとがめられると両手を広げ猛抗議。前半終了間際の韓国の波状攻撃には、自陣ゴール前ギリギリでのスライディングでピンチを防いだ。「(アウエーのスタンドを)黙らせてやるのが大好きなんで」という言葉どおり“闘う男”と化した。

★アジア最強軍団・韓国

 アテネ五輪アジア最終予選ではイラン、中国、マレーシアと同じ“死のA組”に入った。だが最終戦を待たず五輪切符を獲得。結局6戦全勝で勝ち点18、得点9、失点0と“圧倒”した。ちなみに、最終予選B組1位の日本は4勝1分け1敗の勝ち点13、同C組1位のイラクは3勝3敗の勝ち点9だった。アジア最終予選後も2試合無失点(1勝1分け)を続けた韓国は、過去の五輪で実績はないが、5大会連続7度目のアテネではイタリア、アルゼンチンとともに「A」の評価を受けている。

山本ジャパン全成績
年・月・日 大会名 場所 スコア 相手
02・ 8・22 国際親善 上海 ●0−1 中国
9・28 アジア大会 梁山 ○2−0 パレスチナ
10・ 1 蔚山 ○5−2 バーレーン
馬山 ○1−0 ウズベキスタン
○1−0 中国
10 蔚山 ○3−0 タイ
13 釜山 ●1−2 イラン
03・ 1・13 カタール国際 ドーハ ○2−1 タイ
17 ○2−1 スイス
19 ○4−0 U−20ドイツ
21 △2−2 カタール
24 ●0−1 エジプト
4・ 1 キリンチャレンジ杯 豊田ス △1−1 コスタリカ
5・ 1 アテネ五輪 国立 ○3−0 ミャンマー
アジア2次予選 味スタ ○5−0
21 キリンチャレンジ杯 神戸ウ ○4−0 ニュージーランド
7・23 国立 △1−1 韓国
8・ 6 エジプト国際 アレクサンドリア △2−2 ヨルダンA代表
○2−1 パレスチナA代表
10 ●1−3 エジプト
19 国際親善 シンガポール ○1−0 シンガポールA代表
9・17 ソウル ●1−2 韓国
10・29 香港 ○1−0 香港A代表
11・ 3 ドーハ ○1−0 カタールA代表
04・ 2・ 8 キリンチャレンジ杯 埼玉ス △1−1 イラン
11 国際親善 静岡ス △1−1 ロシアA代表
21 キリンチャレンジ杯 長居ス ○2−0 韓国
3・ 1 アテネ五輪最終予選 アブダビ △0−0 バーレーン
○4−0 レバノン
○2−0 UAE
14 埼玉ス ●0−1 バーレーン
16 国立 ○2−1 レバノン
18 ○3−0 UAE
4・21 国際親善 パトラス △1−1 ギリシャ
24 ピルゴス ○2−1 ギリシャ選抜
5・26 味スタ △1−1 トルコ選抜
6・ 1 札幌ド △1−1 マリ
7・14 豊田ス ●0−1 チュニジア
21 ソウル △0−0 韓国
☆通算成績21勝11分7敗

山本ジャパン・アテネ五輪出場国との5番勝負
月・日 スコア 相手 場所 寸評
4・21 1−1 ギリシャ パトラス 後半ロスタイムに痛恨同点弾許す
6・ 1 1−1 マリ 札幌ド 大久保が後半30分に値千金同点弾
7・14 0−1 チュニジア 豊田ス 前半ロスタイムに曽ケ端がポロリ
21 0−0 韓国 ソウル  
25 ?−? 豪州 長居ス 午後7時20分キックオフ
【注】五輪出場決定後のもの。すべて親善試合

★男子サッカー・メダルの行方

 過去の実績から、アテネでも欧州勢、南米勢が中心にメダル争いを展開しそう。アフリカ勢も92年バルセロナでガーナが銅、96年アトランタでナイジェリアが金、00年シドニーでカメルーンが金と躍進がめざましく、圏内に食い込んでくることは確実。アジア勢で唯一のメダル経験国・日本(68年メキシコで銅)とアジア最強の韓国が、この勢力図をどこまで崩せるかに注目が集まる。ちなみに北中米・カリブ海勢、オセアニア勢は過去にメダル経験がない。


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